2013年4月20日土曜日

DHBRオンライン連載第3回 「包括的ビジネスを促す外部環境の動向: 企業を取り巻く利害関係者の変化」


DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー・オンライン

【連載】第3回 「包括的ビジネスを促す外部環境の動向: 企業を取り巻く利害関係者の変化」が公開された。(1月28日)(本ブログへの記録を忘れていた。第4回の締め切りが明後日、、、。)
http://www.dhbr.net/category/s-BOPbusiness

2013年4月19日金曜日

論文: 営利組織と非営利組織間の戦略的提携を分析単位とする

 本ブログの関心を実務的関心と学術的関心とに分別すれば、後者の主要なものは「既存戦略理論が包括的ビジネスという現象をどの程度説明し得るのか。そしてより妥当な理論は何なのか。」というものである。

 すなわち、本ブログの背景には、「営利企業が社会的価値の創出を意図する際に、それをどのように理論的に説明するか」という、企業理論(theory of the firm)に関わる重要な研究上の問いが存在している。

 今回の論文(リンク下記)の問題意識は以下の通りである。これまでの戦略研究において、「戦略的提携」といえばそれは複数の営利企業間のものであることが暗黙の前提であり、その下で理論構築、理論的説明がなされてきた。無論クロスセクターアライアンス(セクター横断的提携)に関する若干の文献は存在する(下記論文参照)のだが、分析単位(unit of analysis)が必ずしも個別営利企業(戦略理論のそれ)ではない。


岡田正大(2013)「開発途上国低所得市場(BOP層市場)への参入における戦略的提携の形成について」慶應経営論集30(1): 1-39. (2013年3月31日発行)     
PDFファイルはこちら。 Abstract in English: here

 この論文のリサーチクエッションは、包括的ビジネスでは常態化している営利組織-非営利組織間の「戦略的提携」が既存戦略理論によってどの程度説明可能であり、説明不能の部分があればそれは何であって、それを説明するためにはどのような理論的修正が必要かを明らかにするものである。網羅的理論サーベイと理論構築、および事例に基づくその検証を行っている。事例はタンザニアを二度訪問して取材したディーライトデザイン・タンザニア(営利企業)と英国のソーラーエイド(NPO)の間の提携協力行動である。

 結論として、営利企業が非営利組織と提携・協力する際には、営利企業に「社会経済的収束能力(socio-economic convergence capacity)」(詳細説明は論文に譲る)がどの程度具備されているかが、パフォーマンスの良し悪しに対して重要な影響を与える、という示唆が得られた。


2013年4月10日水曜日

東洋経済「第8回CSR調査」業種別集計結果: BOPビジネスへの姿勢

CSR東洋経済ブログに、日本企業のBOPビジネスへの取り組みとその位置づけに関するアンケート結果が公表されている。詳細データはこちら。 それによると、

1)BOPビジネスへの取り組み

行っている:6.5%  行っていない:84.1%  検討中:8.2%  その他:1.2%


2)BOPビジネスの位置づけ

現状でビジネスになっている:4.5%  将来のビジネスチャンス:36.4%   
社会貢献の側面が強い:48.9%    その他:10.3%


3)NPO/NGOとの連携(BOPビジネスとは独立した別の質問)

あり:56.6%  なし:41.6%  今後予定:1.2%  その他:0.6%


基本的傾向は能率協会の調査と同様だが、興味深い。この解釈についてはのちにアップ予定。




2013年4月8日月曜日

対アフリカ投資でマレーシアが台頭

アフリカビジネスニュース3月29日
「勢い増すマレーシア、アフリカ向け海外直接投資、中国抜き世界第3位に浮上」
http://www.africa-news.jp/news_NGcmlBSPR.html

これによると、UNCTADが2011年の対アフリカ直接投資トップ20カ国を発表した。
http://unctad.org/en/PublicationsLibrary/webdiaeia2013d6_en.pdf
この報告書の7ページにそのリストがある。

2011年中のフローでは、上から順に:
仏、米、マレーシア、中、印、独、スイス、キプロス、日本、デンマーク、スウェーデン、オーストリア、タイ、、、

2011年末のストックでは、上から順に:
仏、米、英、マレーシア、南ア、中国、印、ノルウェー、日本、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、タイ、、、。

フランス政府・企業の対アフリカ姿勢

3月30日日経朝刊「仏、アフリカの勢いに注目:官民一体でインフラ輸出」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM08093_Z20C13A3FF1000/

これによると、フランス政府は貿易保険などで民間のアフリカ進出を支援している。対2004年比2011年の対アフリカ貿易額は6割増加。2013年の対アルジェリア投資を増やすと回答する仏企業は8割。

一方中国は2012年にECOWASとインフラ整備に関する協力推進で一致。

仏経済財政相「アフリカでますます大きくなる中国の影響力に、仏企業は勝たなければならない」