2010年10月25日月曜日

2010 Ashden Awards: D. Light Design

ソーラーランタンのD.Light Design社は2010年の受賞企業でもある。

Ashden Award 2010にアップされている同社の事例紹介ビデオ(下記ページにリンクあり):

The Ashden Awards for sustainable energy (アシュデン賞)

The Ashden Awards for sustainable energyとは、イギリスのAshden Trust( 1989年創設、Sainsbury家の慈善団体)が母体となって2001年に創設された賞である。賞の目的は, イギリスまたは世界において、「持続可能で実践的かつ現地に根付いたなエネルギーソリューション sustainable energy solution」によって「二酸化炭素排出量を削減し、環境を保護し、貧困を解消し、もって人々の生活を向上させる cut carbon, protect the environment, reduce poverty and improve people’s lives.」活動を表彰し世に広く喧伝することにある。これまでに100余りの営利・非営利組織が顕彰されている。ここでも何度か紹介してきたD.Light Design社も2010年の海外部門のwinnerとなっている。本フォーラムが検討対象としているBOP地域における社会課題解決と利益実現の両立というモデルも、それが持続可能(再生可能)エネルギーに関わる事業領域であれば、そのままこのAshden Awardの顕彰対象に含まれる。

この賞は、地理的領域をイギリスとそれ以外の世界、活動内容を持続可能エネルギーソリューションに指定し、営利・非営利性にこだわらない、という点が特徴的であり、ある意味包括的だ。

日本では、特に社会起業家、学生、社会人のプロボノというフィールドを中心に活動が存在する(米国NPOコペルニクが主催するSee-D Contest)一方、いわゆる既存企業コミュニティーでは個別企業内部で事業性を含め模索されている状況で、特に表立った啓発イニシャチブは存在しない。

このたび立ち上がった「BOPビジネス支援センター」には、そうした役割も期待されるところだ。

2010年10月22日金曜日

「BOP」ビジネスにおける事業戦略と全社戦略 その2

先のエントリーを受けて、事業戦略・全社戦略の文脈で「BOP」ビジネスが企業価値に反映される経路をまとめると以下のようになる(試案。適宜検討し加筆修正していく)。


詳細は下記の通りだが、これらの経路は当初から選択的に重点を決めてしまうよりも、企業価値につながるすべての経路・可能性を網羅的に十分検討することが肝要だと思われる。そこにリアルオプションとしての意味も出てくる。その上で、個々の経路の潜在的貢献度に応じ、資源配分に優先順位をつけていくことになるだろう。

<「BOP」ビジネスが企業価値(全社・連結対象レベル)に結実する経路>

A. 個別事業レベル

A-1:直接的な効果:
●当該事業が生み出すキャッシュ(営利の場合)⇒企業価値へ直結(短中長期)
●当該事業が果たす生産機能(「ソーシャルビジネス」の場合)⇒川下工程への半完成品供給(コスト低減もしくは供給安定性)(短中長期)

A-2:長期・間接的な現地効果:
●現地でのブランド認知・信用(財務的信用含む)⇒当該事業の将来利益への寄与および自社他事業(相対的高価格商品)の将来顧客を醸成 例:ソーラーランタンから将来は家電製品へというマーケティング効果
●現地でのノウハウ蓄積⇒当該事業の将来利益に寄与
●社会問題解決による現地での評判・企業市民としての資格⇒現地での将来売上に寄与

B. 全社(コーポレート)レベル

B-1:直接的な全社効果:
●既存技術をBOPへ有効活用することで範囲の経済性⇒ROIの向上(短・中・長期)
●PPMにおける「問題児」事業の創出(成長構造の1要素として)⇒将来の「花形事業」候補の生成(中長期)
●新たなコアコンピタンスの獲得(既存他事業で共有可能なノウハウや技術、顧客基盤等)⇒範囲の経済性向上(中長期)

B-2. 間接的な全社効果:
●企業理念の体現によるインテグリティ(一貫性)の確保(組織マネジメント)⇒社員のアイデンティティ強化、動機づけ向上、全社レベルの対外的評判・イメージ向上(短中長期)
●社会的評判・企業イメージに基づくコーポレートブランド・他事業ブランド認知へのハロー効果・信頼感向上⇒将来の売上増大へ(中長期)

2010年10月20日水曜日

WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)

WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)(本部ジュネーブ)メンバー企業は世界の各地域から約200社。日本からは24社が名を連ねる。COP10が現在名古屋で開催中だが、1992年の地球環境サミットでの提言を行うため、国連の要請に基づき33カ国のビジネスセクターが組織したもの。こうした設立の経緯から、同組織の主要な関心事項は地球環境にあった。だが、現在ではその関心領域を拡大し、「エネルギーと気候」「開発(発展途上国の経済発展)」「ビジネスの役割(Business Role)」「生態系(エコシステム)」の4つの重点分野で活動・提言を行っている。その一環として、WBCSDSNVとの連携によってMDGs全域にかかわるInclusive Businessの推進に活動の場を広げている。
日本企業はその構成比率からいってもWBCSDのアジア代表として、リーダーシップをとれるポジションにあると思われる。「BOP」ビジネスを促進する環境づくりは、アジア地域圏レベルではほぼ真空状態の感がある。日本側の事務局は経団連にある。

社会課題(MDGs)をビジネスの力で解決する国際的イニシャチブ:国連サミットとAPEC

先月行われた国連のミレニアム開発目標サミット(ニューヨーク)、そして今秋日本で開催されるAPEC
それらの国際会合では、「ビジネスによる社会問題解決」に関し、どのようなセッションが行われたのだろうか(行われるのか)。先に資本市場からの制度的圧力についてエントリーしたが、こうした国際機関とビジネスセクターのコラボレーションもまた、ビジネスセクターに「BOP」ビジネスを考えさせる一つの制度的コンテキストを形成している。

まず、先の国連サミットでは、やはりBusiness Call to Action 主催で3つのセッション(2010年9月21-22日)が開かれていた。

すべてのスピーチが動画で追体験可能である(便利になったものだ)
1-1.UNDP代表Helen Clarkによる基調講演 http://vimeo.com/15225964 貫禄がありますね。改めてMDGsの達成におけるビジネスセクターの役割を確認。
1-2.Anglo American社CEO, Cynthia Carrollによる同社の取組み http://vimeo.com/15225328
1-3.各社CEOによるパネルディスカッション http://vimeo.com/15258397
1-4.分科会の報告 http://vimeo.com/15280631 ケネディスクールのCSRディレクターがChair。あまりの勢いに引いてしまいそうだ。メンバーはAccenture Development PartnersMonitor Group, WBCSD, etc.

MDGsの達成に貢献したビジネスセクターの表彰。Dr.Mo Ibrahimのオープニングリマーク(2分35秒から)がBOPビジネスの本質をついていて必聴。世銀や国連をコケ(冗談)にしていて痛快。「貧困解消にはビジネスセクターによる現地での雇用と富の創出が基本である」↓

動画なし。

パネルや講演者に、アジア企業、アジア人のプレゼンスは全くない。欧・米・南米が中心。


次に開催が来月に迫るAPEC日本はどうか。
「成長戦略ハイレベル会合」のアジェンダの中に、Inclusive Growthというセッションが組まれている。ここは「BOP」ビジネスと関係の深いものとなるだろう。だがビジネスとより直接的に関連するのは、経団連主催のAPEC CEO サミット 2010 横浜であるはずだ。中味は「調整中」となっており不明。何が話し合われるのか、The APEC Business Advisory Council (ABAC)のサイトなど、公開情報ベースでモニターすることとしよう。


2010年10月19日火曜日

「BOP」ビジネスの着想プロセス(その1)

本エントリーはあくまで随想的なもの。

ゼロベースでBOPビジネスを「起業する」ことももちろん選択肢の一つだ。が、ここでは「既存の株式会社が新たにBOPでの事業に取り組もうとする」ケースを考えてみる。

ケースは二つに分かれるだろう。

第1は、これまでいわゆるBOP層(年間個人消費額3000ドル以下の貧困層、2002年PPP)をターゲット市場としたことなど夢想だになく、ゼロから考慮し始める場合。

第2は、自社の歴史の中で、BOPが話題になるはるか昔から取り組んでいた途上国でのビジネスが、どうも昨今注目される「BOP」ビジネスそのものなのではないか、と認識しているケース。またはそうした方向へ再解釈すれば、BOP関連事業に対して昨今充実しつつある様々な資金調達環境も有効に活用でき、さらなる事業発展が見込めるのではないか、と思われる状況である。

いずれの場合も、最初の確認事項は、既存事業で培った何らかの経営資源や能力が、MDGsの7つのジャンル(1~7)にまたがる11のターゲットのいずれかの達成に関連しているか否か、だろう。無論MDGsがBOP市場の社会課題を現実的にすべて網羅しているとは言えないが、相当程度にカバーしているとは言えるだろう。(MDGs以外の社会問題の可能性を完全に捨象してしまうのは、それはそれで望ましくない。)

ちなみにMDGs1~7は、下記の通りである。これらをじっくりにらんで、自社の経営資源の適用可能性を吟味することが第一歩となるだろう。

1極度の貧困と飢餓の撲滅

  ターゲット12015年までに11ドル未満で生活する人口の割合を1990年の水準の半数にする。

  ターゲット22015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数にする。
2:初等教育の完全普及の達成

  ターゲット32015年までに、全ての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする。

3ジェンダー平等推進と女性の地位向上

  ターゲット42015年までに全ての教育レベルにおける男女格差を解消する。

4乳幼児死亡率の削減

  ターゲット52015年までに5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する。

5妊産婦の健康の改善

  ターゲット62015年までに妊産婦の死亡率を1990年の水準の4分の1に削減する。

6HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止

  ターゲット7HIV/エイズの蔓延を2015年までに食い止め、その後減少させる。

  ターゲット8マラリア及びその他主要疾病の発生を2015年までに食い止め、発生率を減少させる。

7環境の持続可能性確保

  ターゲット9持続可能な開発の原則を国家政策に反映させ、環境資源の損失を減少させる。

  ターゲット102015年までに安全な飲料水及び衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減させる。

  ターゲット112020年までに、少なくとも1億人のスラム居住者の生活を大幅に改善する。

「BOP」ビジネスにおける事業戦略と全社戦略 その1

株式会社が「BOP」ビジネスに関する戦略(企業価値の持続的増大につながる資源配分)を検討する際に、少なくとも2つの戦略的観点がある。

第1は「事業戦略」である。すなわち、いかに当該BOPビジネスそのものを着想し、成功確率を高める資源配分を実現できるか、

第2は「全社戦略(コーポレート戦略)」である。すなわち、当該BOPビジネスが全社事業ポートフォリオの中で果たす役割、すなわち他事業との関連性や全社レベルの無形資産(コア・コンピタンス、評判やイメージ)の活用・蓄積にどう関わっているのか、

である。

ややもすると、BOPビジネスに関する議論は事業戦略に傾斜しがちか、もしくは事業と全社のレベルを渾然一体として議論する傾向がある。だが、製品事業レベルで多角化している企業の場合、全社戦略をそれとして議論することの重要性は改めて指摘するまでもない。

全社戦略レベルの議論を伴わない場合、せっかく個別事業としては成功しつつある(もしくはその見込みの高い)ビジネスが、全社レベルでは高い評価を得られなかったり、少しの財務的許容度しか与えられなかったり、ということに陥り、本来は企業価値に結実する事業をみすみす見逃してしまう(機会損失の)恐れがある。

野村総研の「ロングタームイノベーション戦略(下)」のp.59-60には、この全社レベルでの位置づけの重要性が指摘されている。該当する部分を引用すると、「構想の初期段階において、全社戦略やグローバル戦略における事業の位置づけ、事業ポートフォリオ上の事業の位置づけを明確にすることが重要である。」「より具体的には」「経営的目的としては、単体で利益を上げる事業とするのか、あるいは他事業にもたらす副次的効果の重要性を重んじるのか、それとも、単体での高い収益性は求めないが、一方で関連事業の将来市場を創造し、ブランド価値を高めるなど、全社戦略におけるシナジー(相乗効果)や間接効果を追求する事業なのか――こうした位置づけを経営の意思として明確にすることが求められる。」 

BOPビジネスの全社的位置づけを決するための評価・検討プロセスに関しては、さらに詳細な議論を行う必要があるだろう。

㈱イースクエアのオピニオンペーパー「BOPビジネス(途上国市場)ネットワーク構築」(公開)には、「何の為のBOPビジネスか?」という文脈の下で「BOPが生みだす企業価値」というチャートが登場する。(下図。同ペーパー2ページより引用) このチャートは、個別事業レベルと全社レベル(表中コーポレート)の意義、そしてそれらを時間軸と合わせて、BOPビジネスがどのような経路をたどって企業の経済的価値に資するか、その整理を試みている点に価値がある。また、すべての項目が企業の経済的価値(企業価値)へつながるという(企業としては当然の)前提で書かれている点も戦略策定の観点から適切である。ただし、この表は、これら複数の効果(経路)から「どれを重点的に選択するか」ということではなく、そのすべてに関して検討対象にすべきものと解する。
ただし、本フォーラムでは「CSR(企業の社会的責任)」を「本業の事業プロセスにおいて社会・環境に対して負のインパクトをもたらさないこと」、と藤井俊彦氏の定義で理解しており、明らかにイースクエア社よりも限定的にとらえている(と思う)。

雪国まいたけとユニクロ

先にグラミンユニクロへの感想は述べたが、同じくグラミンとの提携でも、今回はその狙いが異なっている点が興味深い。

資本金は同じ10万ドルだが、グラミンユニクロの場合はバングラデシュでの縫製事業本体での投資額(800万ドル)と比して非常に小さく、現地での企業市民としての資格を取得するという意味合いがより強いと思われるが、雪国まいたけの場合は、緑豆の生産量確保が主たる(全てではない)狙いで、当初から大規模農場(500-1000ヘクタール)で栽培し、約900名の雇用を生むという。また、グラミンの出資は25%で、ユニクロとのケース(1%)よりもはるかに多い。その背景は知る由もないが、外から眺める限りにおいて、グラミンはこの事業により実質的意義を感じており、関与度も高いことが示唆される。

もちろん、本件もグラミン流「ソーシャルビジネス」であるから、当該事業からは一切株主に配当されず、利益はすべて事業に再投資されるのがルールだ。

私は、グラミン流のソーシャルビジネスは配当が投資家になされない点で、新たな資金を吸引しづらく、スケールアップに限界があるのでは、(配当を行う場合と比べて)、と考えてきた。そしてこの点に関する考えはおそらく変わらない。だが一方で、この「ソーシャルビジネス」を金銭的リターンを直接得る源泉と捉えずに、安定的に原材料を調達する機能と考えれば、なるほどこの形式にも活用余地があると感じられる。マジョリティ出資者である雪国まいたけには、配当こそ皆無だが、安定的で相対的に安価な原材料確保という便益や貴重な学習機会、そして「ソーシャルビジネス」であることの対価としてグラミンとの関係性(国内販売での認知度と企業イメージ)が確保される。

配当は行わなくとも、利益の再投資や増資によって、生産機能としての「ソーシャルビジネス」をスケールアップしていく、という活用法である。ただし、生産物の買い取り(移転価格)がフェアートレードの精神で行われなければならないのはCSRとして当然のことである。

2010年10月13日水曜日

経産省「BOPビジネス支援センター」設立される

BOPビジネス支援センター
経産省の「BOPビジネス支援センター」が本日立ち上がった。「企業、NGO/NPO、国際機関、支援機関、学術機関等を会員とし」、「BOPビジネスを総合的に支援する仕組み」である。

無料の会員登録をして中にアクセスすると、6つのサービスが現れる。「国別情報/報告書等」のコーナーでは、政府(経産省)及び関連機関(JETRO、 JICA)からの各種報告書や潜在ニーズ調査結果がもれなく総覧できる。

現時点はいわばベータ版でのカットオーバーといったところか。今後会員の声を吸収・反映する仕組み、「マッチング支援」機能や諸外国および国際機関の支援制度情報など、さらなる充実が期待される。会員は登録時に興味を持っている国や業界を登録できる。それにマッチした支援制度の更新情報をメール通知するようなサービスがあると、一層サービスに価値が出て会員数拡大につながると思われる。

実は本日が同センターの開設シンポジウムであった。JETRO本部5階の大会議室(200席)は満席。特に企業からの参加者比率がこれまでのイベントの中で最も高かったそうだ。

(注:本ブログ発起人の一人である岡田は現在、上記BOPビジネス支援センターの運営協議会委員。)

Inclusive business 包括的ビジネス

最近の英語圏(一般的用法でなく、いわゆるleading institutionsでの言葉づかい)では、BOPで経済性と社会性の両立を目指すビジネスを、例外なく地球上すべての人々・プレーヤーを包含するという意味で、inclusive business(包括的ビジネス)やinclusive markets(包括的市場)といった用語で包含するケースが定着してきている(下記参照)。日本ではほとんど耳慣れない状況だが、本サイトでは、ブログの名称に「『包括的ビジネス inclusive business』」を併用することとする。

1.UNDPの2010年9月発行の報告書(いかにビジネスがMDGsの達成に貢献可能か)

2.WBCSD(World Business Council for Sustainable Development)による包括的ビジネスに関するコンセプトビデオ

3.IFCによるBOPにおける事例集(2010年発行。金銭的な側面でなく、人の声を採録)

4.WBCSDとSNVのアライアンス

5.UNDPによる包括的市場・包括的ビジネスに関するサイト

6.ブログ「Next Billion」における包括的ビジネスに関するエントリー

2010年10月12日火曜日

企業に事業活動の社会的側面を重視させる、資本市場からの制度的圧力

先にMonitor InstituteによるImpact Investing(資本市場サイドからのアプローチ)についてご紹介した。
本エントリーではそれと共鳴する、そしておそらくはより大きな「ESG投資」というトレンドについて。

貧困削減に資する事業を直接金銭的に(いわばP/Lサイドから)支援するのではなく、企業の利害関係者(その中でも特に機関投資家、つまりB/Sサイド)による仕組み構築、ならびに代表的企業の連署による宣言など、企業に社会問題解決に資する投資や資源配分を行わしめる制度的(institutional)圧力が先進諸国の資本市場で増大しつつある。ESG:環境(E)、社会(S)、企業統治(G)に関する総合的観点から企業を評価する機運である。倫理や価値観に基づくSRIから、長期リターンに連動したESG投資へと、「インパクト」を伴う投資の意味づけ、方向性が微妙に変化し始めている。

資本市場が企業を評価する際のデフォルトの尺度は、株主資本価値の多寡およびその成長性であり、基本的にこれは変わらないだろう。だが、その企業評価項目に、機関投資家自身がEとSを加えることを要求し始めている、という点が重要なトレンドの発生を感じさせる。特に最大の機関投資家である欧州・米国の年金基金群がESGの観点を重要視していることが下記レポートからも伺われる↓

<企業に社会的側面を重視させる「制度的」圧力の最近の代表事例(網羅的ではない)>
1999年   国連 Global Compact 130カ国7,700社が署名)
2006年  国連がPRI(責任投資原則 10か条)発表 (ESG概念の提唱)
2010年  国連ミレニアム開発目標サミット(MDGs goal 8は企業や資本市場との連携に期待) 

投資と環境保護の観点からCERESを運営するMindy Lubberによれば、上記Bloomberg によるESGデータのインテグレーションが、徐々にメインストリームとなっていくのではないか、と述べている。(Havard Business Review Blog 2009)

GIINによるIRISとESG投資の関連については現在調査中。

2010年10月2日土曜日

JETRO BOPビジネス潜在ニーズ調査報告書 その1

インド:教育・職業訓練分野(2010年3月)

ケニアのエネルギー分野(20103月)
http://www.jetro.go.jp/world/africa/reports/07000375

タンザニアの農漁業資機材分野(20103月)

http://www.jetro.go.jp/world/africa/reports/07000372