本日のNHKクローズアップ現代はその特集だった。ガーナの経済学者George B.N. Ayittey の著作:“Africa Unchained: The Blueprint for Africa's Future” (2004)で、「欧米で教育を受け母国へ帰ったアフリカ人若年世代」を著者がこう称した。
今夜の番組で紹介されていた事例の一つは、ナイジェリアの農業だった。自国生産の果物が大量に生産されているにもかかわらず、保存の技術・輸送インフラがないために市場に恵まれず、腐敗・廃棄を余儀なくされている。結果、輸入された生鮮品や缶詰などが自国内市場を席巻する。この解消には、果物生産の現地にジャムなどの加工工場を興し、保存可能にして販売する事業が計画されているという。担い手はハーバードビジネススクール出身のナイジェリア人。米国の大手コンサルティング会社で10年勤めた後帰国。30代。
Dr. Ayitteyが2007年のコラムで指摘するように、チーター世代は、"away from the foreign aid model and focused instead on African risk takers, entrepreneurs, and those crafting their own indigenous solutions to Africa’s innumerable problems," つまり、アフリカの諸問題(とくに貧困)を解決するために、外国からの援助や腐敗する自国政府に依存することなく、自らがリスクテイクして母国で事業を興し、経済的成功を通じて利益と雇用の創出を促し、その過程と結果から貧困を解消していく、という発想。
<コメント>
彼らの発想は、まさに市場原理や営利の経済活動を通じて貧困を解消するということであり、本フォーラムの研究する命題そのものでもある。本研究室では6-7月のフィールド調査でタンザニアとナイジェリアに赴く予定をしており、こういった空気にも触れて来たい。
2010年5月10日月曜日
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