2010年5月3日月曜日

プレゼンスを増す営利のソーラーランタン事業

1. D.light
「社会的ミッションを強く持った営利企業 a for-profit business with a strong social mission」と自らを称する同社は、「社会的企業初の上場」を目指す。
今年3月に新製品Kiranを発表。価格は$10で、世界で最も安く性能のよい(コストパフォーマンス)ソーラーランタンを目指したという。同社は2006年のStanford design competitionに端を発し、スタンフォード大学のMBA2名で創業。2010年に売り上げ累計台数が「数10万台」に達し、実質100万人の生活に明かりを提供したと発表。2009 SVN Innovation Awardを受賞。
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2008年6月の報道(企業概要、創業以来の経緯)
2008年11月の報道(VCから$5.5MシリーズA調達)
2009年10月の記事($10のKiran発表に際して創業者のコメント)
2010年4月の記事(なぜ営利企業体として社会的価値をめざすのか)
同社への寄付金の受け皿になっているBeyond Solarのホームページ

<コメント>
「投資家(VC)の顔が見える営利事業」という厳格な経済合理性の下で、社会的ミッションの達成を目指すハイブリッド型の営利企業である。本フォーラムの目指す社会価値・経済価値の両立を地で行く企業だ。利益創出の目的を「持続性のみならず、拡張性を確保するため」との説明も理解しやすい。ここでの「拡張性」はむろん事業利益の再投資による有機的事業成長を意味するものだと思うが、拡張性は外部資本の導入力にも左右される。事業(利益)が成長していればこそ、外部投資家にとって魅力が増し、「増資」によるさらなる拡張性の追求も可能になる。「BOP」における事業の成功には、やはり「資金調達スキーム」のデザインが必要不可欠であり、そこで社会的ファンドと純粋なリスクマネーのバランスがどのように決するかは本フォーラムの重要な検討課題の1つである。

「世界の無電化地域16億人に”あかり”を贈る」
営利事業と慈善事業の組み合わせ事例

インド・米国の合弁企業。製品名MIGHTYLIGHT。一つ5役の多機能。スタンフォード大学が母体。

4. Selco India (設立1995年)
ソーラーランタンのみならず、より大型の、事業・個人用ソーラーシステムも製造販売。創設以来10万基を超えるシステムを販売。

2009年10月に既報の通り。

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