2010年7月23日金曜日

アフリカ研究調査概況1:パナソニック エナジー タンザニア


 同国最大の都市ダルエスサラームにある。6月最終週から始まった今回の調査で最初に訪問した企業。従業員数は正規110名、臨時50名の計160名。パナソニックは2010年になってナイジェリアに駐在員事務所を再開設したが、このタンザニア事業は設立が1967年であり、40年余りの歴史を持つ。68年から同社は電池製造を開始、72年にはラジオ製造も始めた。その後電気蓄音機(フォノグラフ。レコードプレーヤーとラジオが合体したもの)、扇風機、ラジカセと生産品目は拡大し、1975年からはラジカセの部品内製も開始する。しかし、1978年のタンザニア・ウガンダ戦争を機に同国の外貨が底をつき、同社の生産は電池とラジオのみに縮小される。その間、企業の国有化の波に飲み込まれることもなく、現在まで操業が続いている。
 現在の主力製品は単一(一本450タンザニアシリング。20-30円。主に家庭用大型ラジオ用。シェア35%)と単三のマンガン乾電池(一本250タンザニアシリング。主にポケットラジオとテレビリモコン用。シェア90%)である。
 単三電池の成功は、写真にもあるように、一本づつのばら売りを可能にした小分け包装にある。これまでは、4本まとめてシュリンクラップし、箱に入れて小売店のカウンターの下に置かれていた。これをばら売り包装にしたことで利点が二つあったという。
1)バラで買った後に包装が破れていると、その電池が新品かどうか見分けがつかなくなり、消費者が警戒して買わなくなる、という問題があった。これを解消。常に新品の保証ができるようになった。
2)これまではカウンターの下に隠されていた箱売りが、店の棚の前面に常時吊り下げられるようになり、視覚に入りやすくなった。
 今後この事業には、ソーラーランタン用二次電池の需要も発生してくると考えられ、これまでに営々と築いてきた販売チャネルを含め、対BOP市場への布石として活きる時が来ようとしているのではないか。

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