大和証券ホームページでの分類によれば、世界各地のMFIs(microfinance institutions、マイクロファイナンスの実施母体)へ資金提供(投融資)を行うスキーム(MIVs, microfinance investment vehiclesマイクロファイナンス投資ビークル)には、大別して3種類ある。
1)債券ファンド
「投資家の資金を集めたMIVsが現地のマイクロファイナンス機関(MFIs)に融資したり、MFIsが発行する債券に投資」し、「主な投資家は欧米の機関投資家や個人の富裕層で、欧州では個人向け債券ファンドも組成・販売されて」いる(出典:上記同ホームページ)
日本ではLiving in Peaceとの提携によってミュージックセキュリティーズが運営・販売している「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」(「カンボジアONE」(受付終了し運用中)、「カンボジア2」(3月15日まで受付中))が日本で初めてのMF投資ファンドとして広く報じられている。ファンドの想定利回りは年約5%である。
2)MFIsへの貸出債権を裏づけとした証券化商品
「国際開発機関や財団、機関投資家が主な投資家となって」おり、「安全性の高いシニア部分、ミドルリスク・ミドルリターンのメザニン部分、リスクの高い劣後部分に階層分けされることも多く、劣後部分への投資を国際開発機関が担うことで、より幅広い投資家層の参加を促す仕組みとなって」いる。(出典:上記同ホームページ)
3)MFIsを対象としたプライベートエクイティ投資
債券型商品(分類1)の過去の実績では、約5-6%で安定した利回りであったということだ。
マイクロファイナンスは、主としてBOPにおける個人や零細事業向け融資であり、多国籍企業による事業自体への投資とは直接関係しない。だが、多国籍企業によるビジネスモデル(例えばグラミンダノンフーズ)の中で、販売や輸送に携わる農村の個人がMFを活用して商品を仕入れたり、輸送用のリキシャを購入したりする際に用いられる。その意味で、BOPファイナンスの構成要素として認識しておいてもよいだろう。
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