2010年3月24日水曜日

バングラデシュで「物乞いの元締め」を罰する法律が成立:同国の物乞いの現状

今週月曜に成立した Vagabond and Street Beggars Rehabilitation Act 2010によれば、他者にその手足を切断させて物乞いを強制したことが明らかとなった場合には、懲役5年に加えて50万タカ(約7千ドル)の罰金が科せられる。

警察によれば、物乞いの中には組織的ギャングに雇われ、時には肢体の一部を切断させられて「物乞いとしての価値」を上げさせられ、さらに収入の上前をはねられるといったケースがあるという。

本法律に先立つこと1年、Hasina首相率いる新政権は物乞いを禁じる法律を策定し、物乞いを1か月の禁固刑とした。背景には、物乞いを国から消滅させたいという政策目標(期限2014年)がある。

現在、同国には70万人の物乞いがいる(2005年調査)。この調査によれば、彼らは1日平均100タカ(約1.5ドル)の収入を得ることができる(政府は今月新たな「物乞い調査」を外部へ委託)。先月には、警察がダッカ市内の物乞いを「交通の妨げになる」という理由で一斉検挙し、首都ダッカの外へまとめて退去させた。

(感想)
このような法律が成立するということは、映画「アリ地獄のような街」が、きわめて実話に近いのだということを思い知らされる。また、同国の縫製工場の最低賃金が月1662.5タカであるから、1日物乞いで100タカ稼げてしまうと、20日間で2000タカとなり、最低賃金を上回る。このあたりにもなかなか物乞いが減らない理由があるのだろう。(岡田)

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