ちなみに月給1662.50タカは年間19,950タカ、もちろん5,000タカは年間60,000タカとなる。
世銀の国際比較統計によれば、2005年時点のバングラデシュタカのPPPレートは、22.64タカ=$1である。また、2009年時点の同レートは、26.985タカ=$1である。(つまり4年間で、タカは対米ドルで約19%購買力が弱まった。物価が上昇中である。) 日本円の2009PPPは114.01。
さて、この2009年のレートで計算すると、年収19,950タカ=年収739ドル(2009PPPベース)である。つまり2009年のアメリカで、年間739ドルで暮らすということになる。(ちなみに2010年6月22日の為替レートは$1=69.3タカ) もしくは、2009年の日本で年間84,253円で暮らす水準。一日当たり231円。単純に考えれば、農村部で自給自足の食糧がある程度ないと、消費生活だけで生きるのは相当に厳しいと感じられる(あくまでも生活者としての主観的感覚)。
今回縫製従事者が要求している年収60,000タカは、年収2,223ドル(2009PPPベース)となる。つまり2009年のアメリカで、年間2,223ドルで暮らすという水準だ。もしくは、2009年の日本で年間253,444円で暮らす水準。一日当たり694円。これでもぎりぎり食っていける水準で、住居費は厳しい。
ちなみに先の「BOP3000の定義」のエントリーで紹介したように、「3000ドル(2002PPPベース)=3260ドル(2005PPPベース)」。ちなみに米国のCPIは2005年195.3、2009年で214.537なので、この間で物価は約1.1倍になっている。つまりBOP3000(2002PPP)は、BOP3580(2009PPP)。なので、どうみても縫製従事者の現在の最低賃金年収739ドルはBOP1000カテゴリーに属するということになる。賃上げ要求が通ったとしてBOP2000カテゴリー(2002年ベース)となるだろう。
BOP層の生活感覚を少なくともその金銭的ひっ迫度として感じるため、一定期間たとえば一日300円で生活する体験をするなど、実地の学習機会も意味があるかもしれない(すでに他校で実践中と聞く)。
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