先日、他分野の研究者に「BOP」という言葉を使ったら、「ボトムとはなんだか見下した感じで嫌だね」といきなり言われてぎょっとした。いったん日本の主要メディアでボトムとなってしまうと、その伝播力たるやすさまじ、だ。この手の反応(bottomという言葉への違和感)は英語圏ではすでに過ぎ去り、"base" of the pyramidという言葉へ転換することで解消したと思っていただけに驚いた。
前のエントリーでいくつか記事を紹介したが、上の会話の数日後、日経のメディアが総じて判を押したように「BOP」を「ボトム・オブ・ピラミッド」と表記していることに気付いた。中には加えて「経済ピラミッドの底辺」という注釈もある。語感がどうも悪い。ボトム、底辺。。。東洋経済は現在英語圏で定番化している「ベース・オブ・ピラミッド」を用いている。 槌屋さんが出ていらしたNHKの番組でもフリップには「ボトム」と表記されていて、アナウンサーは「ボトムオブザピラミッド、あ、いえ、ベースとも言いますが、、」と言いよどんでいた。
たしかに、象徴的著作であるプラハラッドのネクストマーケット発刊当時はBottomという言葉を用いていた。だが最近の様々な記事・論文に接している頭の中では完全に「at the base of the pyramid」という語法が頭に刷り込まれているので、いまさらボトムと言われると妙に古めかしい感じがする。
そこでgoogleで調べてみた。検索語句 を「"bottom of the pyramid"+business」とすると、検索結果は16万件、「"base of the pyramid"+business」に変えて検索すると223万件。(+business を入れたのは、考古学などの検索結果を排除するため。もっともすべて排除できないが。)
要は、実際の用法の大勢はbaseに移っていると思われる。特に、研究者や大学の世界では死語になっているという認識だ。たしかに英語版のWikipediaではbottom of the pyramidの項の中で「しばしばbase--ともreferされる」、と書かれているが、今では「 かつてはbottomと言われた、、、」が正確だろう。 プラハラッドと並ぶこの分野の立役者であるコーネル大ビジネススクールのStuart Hart教授はbottomという言葉への違和感から、すでに2002年の著作でbaseという言葉を用いている。BOP Protocolも最初から"base"だ。やはり英語圏の語感としても、bottomというのはあまり印象が良くないと皆感じているのだろう。日本語では「ベース・オブ・ピラミッド:経済ピラミッドにおける基底部分」とするのが適切だと思う。
要は、実際の用法の大勢はbaseに移っていると思われる。特に、研究者や大学の世界では死語になっているという認識だ。たしかに英語版のWikipediaではbottom of the pyramidの項の中で「しばしばbase--ともreferされる」、と書かれているが、今では「 かつてはbottomと言われた、、、」が正確だろう。 プラハラッドと並ぶこの分野の立役者であるコーネル大ビジネススクールのStuart Hart教授はbottomという言葉への違和感から、すでに2002年の著作でbaseという言葉を用いている。BOP Protocolも最初から"base"だ。やはり英語圏の語感としても、bottomというのはあまり印象が良くないと皆感じているのだろう。日本語では「ベース・オブ・ピラミッド:経済ピラミッドにおける基底部分」とするのが適切だと思う。
言葉使いなどどうでもよい、という声もあるだろうが、こうしたちょっとした言葉遣いがこの分野の活動に対する認識や従事する人々の意識に影響することもあろう。日本での関心が高まりつつある今だからこそ、メディアでの言葉づかいは大事だと思う。
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