2009年7月21日火曜日

バングラデシュ研究調査概況 (2009年6月28日) BRAC Center


昼食後首都ダッカの市内にあるBRAC Centerを訪問した。
22階のビルは入館のセキュリティもしっかりしており、政府機関さながらであった。


訪問先:BRAC Chairperson's Office
Corporate communicationsをやっている部署のかたにお話を伺った。
[業務内容]
我々のような訪問者の対応、インターンシップ(年間120-150人も受け入れてる!)・ボランティアの対応、Annual reportなどの作成がメインとなる。
政府に対する政策面での働きかけや啓蒙活動はadvocacy unitという別の部署で担当している。
企業の様にブランディングポリシーを作成し、メッセージの一貫性を保つことに現在は注力している。

[他NGOとの協業について]
Microfinanceの業務レベル:同じ借り手に2重に貸し付けないような合意を結んでいる
小さいNGOとのcollaboration:BRACのモデルをコピーさせてそれぞれの地域での展開などを支援している

[Social Enterpriseの役割]
1.Improve Outputs
市場へのアクセスのない生産者に対し、売る場を提供する:Aarongという小売企業は地方で生産された絹製品(衣料)を販売している。地方では売れる場所、相手も限られているがBRACが間に入ることにより生産者は今までよりも良い条件で販売することが出来る様になる。フェアトレードと同様のコンセプト
2.Improve Inputs
BRAC Dairyというsocial enterpriseは乳製品のメーカーだが酪農家から原料となる牛乳などを買い取っている。その品質と生産性を高めるために酪農家に対して様々なアドバイスや技術支援をしている。
3.Provide employment
事業を始めて拡大していくことにより雇用を拡大し、現地の発展に寄与する

当然上記に加えてfinancial sustainabilityが求められる。

[BRACで働く意義]
給与はGrameen BankやGrameen Phoneのような営利企業、欧米のNGOに比べると低いとのこと。
ただし成長する組織でそこに参加することの価値、BRACで得られるネットワークには給与以上の価値があるという考え方が特に若い人材に多い。良家の子女として西欧諸国で教育を受け、バングラデシュに戻ってくる人材が幹部には多い印象を受ける。

1 件のコメント:

  1. 補足:BRACで印象的ことだったこと
    活動の対象者、企業で言えばcustomer, clientのことをbeneficiaryと呼んでいることが印象的だった。Microfinanceであればborrowerとか、貧困層という意味ではpoorと呼ぶことも出来るが組織内できちんと教育されているようでbeneficiaryと会った人全てが口を揃えて言っていた。

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