2009年7月26日日曜日

バングラデシュ研究調査概況 (2009年6月30日) -1

2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が始めたGrameen BankのMicrofinance operationを見学

ダッカ郊外のマイクロファイナンスのミーティングが行われている集落まで車で1時間弱、その車中でGrameen bankの組織構造、ガバナンス、商品構成など基本的なことについてInternational Programの担当者からレクチャーを受ける。
組織はHead officeを組織のトップとするとその下にGeneral officeが40、Area officeが270、Branch officeが2554ある。各Branchの下には60-70のcentersがあり、各Centerの下には8-10のgroupsがある、各groupは5−6人のmember(borrower)からなる。Branch以下が実働組織で、Area以上のオフィスはモニタリングなどのバックオフィスがメインとなる。

Center meetingを見学する前にBranch officeでBranch managerとborrowerの方のお話を伺った。
borrower(お母さん)は主婦だが夫と野菜流通の仕事をしていて、大学に通う娘がおり、Grameenの奨学ローンで学費などを払っているとのこと。大学生の娘さんは大学ではSocial scienceを専攻し、携帯電話(1300Takaで購入)も友達や家族との連絡のために持っていた。着ている服は他の多くの女性と同じく民族衣装だがきれいにしていて、英語も多少は喋れる、我々の持っているいわゆる「普通の大学生」像からそれほど離れたものではなかった。「貧困」というものはここには無いのではないかと感じた。
GrameenのHigher education loanは学部レベルの教育のためのローンで在学中の利息はかからない。また、Centerごとの評価指標にeducation loanを活用しているborrowerがいることが含まれていて積極的に教育を受けさせることを推奨している。

Center meetingはほとんどが我々からの質問タイムになっていた。どのような仕事をしているのか、借りたお金で何をしたのか色々と教えてもらった。このあたりはBRACのMicrofinanceとあまり変わらなかった。
魚問屋をやっている人、Grocery storeを経営している人等様々な職業の方がいた。ほぼ全員が携帯電話を持っていることが驚きだった。

次にCenter leaderの自宅を訪問。家には電気はもちろん通っており、テレビもある
元々彼女の住むエリアにGrameen Bankは活動しておらず、隣の集落でそのような活動があることを聞きつけ、自ら仲間を募ってGrameen BankのmemberとなったというとてもActiveな方だった。以下簡単に彼女が教えてくれたこと。
3万Taka GBから借り入れて家を建てた
夫は1日1200−1300TAKA稼ぐ 車でモノを運ぶ仕事
息子も商売をやっている(建材となる砂を扱う商売)
ビジネス、家をもっと大きくしたいと考えている

他にも2件借り手の家を訪問したが、どこもきれいにしていて、生活に困っているという印象は受けなかった。昔からそうだったのではなく、Microfinanceを使って10−20年で豊かになったと皆教えてくれた。


所感:
多角化が進み、地域社会との接し方が多面的であることがGrameenの一つの特徴かと思っていたが、実際にborrowerの方々の話を聞くと、Telephone lady(Grameen phoneの販売、端末の共同利用仲介者)が30−40人のうち1,2人いた位でMicrofinance以外の結びつきはそれほどないようだった。

次回はGrameenのHQでの取材内容を掲載予定。

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