2009年7月13日月曜日

バングラデシュ研究調査概況 (2009年7月1日 - 2)

訪問先: GrameenPhone
GrameenPhone(以下GP)は、バングラデシュ最大の携帯電話会社。営利企業。

事業内容、状況:
GPの設立当時の状況については、文献「グラミンフォンという奇跡」を参照。
現在バングラデシュ国内の携帯電話利用者は46Mユーザー(普及率は30%)、そのうちGPのユーザーは半分近い21Mユーザー。

成功の理由は、最も早く携帯電話のネットワークを展開し、Village Phoneという仕組みを利用し(Grameen Telecomと協力して)普及させた事、その後は通話料金を十分安くした事と携帯電話自体の価格が下がった事だと考える。また、例えば農村では農作物の市場価格を把握する事が出来るようになり、中間業者を飛ばして直接市場で販売する等、利用者にとって経済的な便益があった事も理由だろう。

既に都市部の普及は頭打ちで、今後普及を伸ばすには農村部のユーザーを増やす必要がある。
但し、農村部のユーザーは価格を非常に気にするので、今後価格を下げる必要がある。その為現在SIM TAXを無くす等の提案を政府に行っており、さらに携帯電話の価格も下げられるよう努力している。なお、通話料金自体は既に十分安くなっていると考えている。
(補足: 現在バングラデシュでは携帯電話のSIMカードを購入する際に税金を支払う必要がある。税金は900タカ、約US$14)

なお、ボードメンバーは5人。その内訳は、Grameen Telecomから2名、Telenorから3名。
またCEOもTelenorから送られており、基本的に会社の内部はTelenorの会社、という感覚。


資本金:
Telenor 62%, Grameen Telecom 38%
Telenorはノルウェーの携帯電話会社。


所感
GPの成功理由はインタビューでも聞いたように最も早く携帯電話のネットワークを整備し、さらにVillage Phoneという仕組みを用い利用者にとって4As (Affordability, Availability, Accessibility, Awareness)を提供出来た事が大きいと考えられる。
また、内部はGrameenという感じではなくTelenorの子会社という雰囲気で、かつ内部のマネジメントもTelenorのやり方が用いられているという事であった。Telenorの提供した通信に関する技術や、通信事業を遂行する為の内部の仕組み等、Telenorの果たした役割も大きいと感じた。

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