2009年7月13日月曜日

バングラデシュ研究調査概況 (2009年7月1日 - 1)

訪問先1: Grameen Telecom
Grameen TelecomはGrameenPhoneの回線を利用しVillage PhoneをGrameen Bankのマイクロファイナンス利用者に提供する等の事業を行っている非営利企業。

事業内容:
Grameen Telecom(以下 GTC)が現在行っている事業は下記。
• Village Phone, 対象はGrameen Bank(以下GB)でMicro finance(以下MF)を使用しているメンバー
• Nokia端末販売
• Nokia care center
設立時は1つ目のVillage Phoneが主な事業だったが、その後競争が激化し、通話料金が下がった為、Village Phone (以下VP)を利用しなくても自分で携帯電話を保有する人が増え、またVPの通話料金も下げたとの事。
現在農村でVPを提供しているMF利用者は、1台の携帯電話では売上が少ない為複数の携帯電話を保有しVPのサービスを提供しているケースが多い。なお、ここ6~7か月間、VPの普及は頭打ちになってきた。

また、現在CIC(Community Information Center)の試行中。CICとは農村に開設したパソコンでのインターネットアクセス、スキャナーやプリンタ等のサービスを提供するセンター。CICはVPと同様にGBのMF利用者が自分で開設し事業を行っている。なお、インターネットへのアクセスはGrameen Phoneの回線(GSM, EDGE)を利用している。

資本金について:
GBとの資本関係はない(バングラデシュの法律により、GBは出資出来ない)。
GTCには同じGrameenグループである、Grameen Kalyan等が出資している。
なお、GTCも同じくグループ内の企業に出資を行っている(GrameenPhone等)。


訪問先2: Nokia Care Center
Grameen Telecomが行っているNokia携帯電話のカスタマーサポートセンター。

事業内容:
国内で最大シェアを持つNokia携帯電話のカスタマーサポートセンター。
携帯電話の修理やNokiaの提供するOVIサービス(メール、音楽、地図、ゲーム等を提供)のメールアドレス設定等のサービスを提供している。

センターの中は、日本の携帯電話会社のショップと良く似た雰囲気であった。


所感
VPの普及が伸び悩んでいるのは、市場の携帯電話の価格、通話料金が安くなったという事実を踏まえると自然の流れと言える。利用者にとってのAffordabilityを提供する方法が、携帯電話市場の導入にはVPという仕組みであり、現在(成長期)では携帯電話や通話料金そのものの安さで提供されているという事であろう。どういう形で実現されているにせよ、BOPではAffordabilityが重要である事に変わりはない。
現在、バングラデシュ国内の電話普及率は約30%である。まだ所有していない70%の人々に携帯電話届ける為にも、このAffordabilityは重要であろう。

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