2009年10月9日金曜日

バングラデシュにおけるカーストの実態

ところで、先のエントリーで触れたuntouchablesという言葉が気になり、カースト制が法的には葬られた現在、実態はどのようなものかが気になったので調べた。IHEU(国際人文倫理学連合)によるバングラデシュに関する最新の記述(2009年8月)があった。http://www.iheu.org/untouchables-bangladesh

これによると、イスラム教徒が90%、ヒンドゥー教が9%という同国で、職業的に差別されるDalitsと呼ばれる人々が現在も存在する。中でも少数派であるヒンドゥーの中のDalitsの実態は過酷で、「不浄」という認識の下、公営のシェルターやスラムに居住している。歴史的には、英領インド(バングラデシュも当時はその一部)の時代に召使としてインドの他地域から「輸入」された人々の末裔が多いが、それ以外にも都市生活で貧困に落ちた人々が流入しているという。記事の中には、ベンガル社会でのカーストの実際が詳細に述べられている。

7月の同国訪問時にも、ダッカ市内のスラムを訪れたが、3メートル四方程度の掘っ立て小屋が立錐の余地なくひしめき、一軒に5-6人の家族が住む様子を目にした。一筋の救いは、そこに住む子供たちの元気な笑い声だった。

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