2009年10月6日火曜日

バングラデシュが人材開発においては「medium developed nation」に仲間入り(UNDP)?!

国連のUNDPが10月5日に発表した報告書によると、バングラデシュは2007年のデータを基にした最新のHuman Development Index (HDI)が(life expectancy, education and the standard of living の着実な改善が貢献して)1.86%上昇、昨年発表の186カ国中144位から146位となった。

特に今年の報告書「Overcoming barriers: Human mobility and development」が注目しているのはMIGRATION(移住)が人材開発にもたらす効果である。同国では、人口の4.5%が国外移住しており、移住先の90%以上はアジアの先進国である。同報告書によれば、こうした移住は、移住者自身、移住先コミュニティ、移住者の出身地のコミュニティに対し、「人材開発を強化する」という。

一方で報告書は、移住(特に国内移住)は、貧困の解消に特段に効果がある、とも指摘している。「バングラデシュとインドで得られたデータによれば、家計の中で少なくとも一人の家族が国内の他地域に移住している場合に、貧困率の減少が見られる」。

UNDP在バングラデシュ担当者は、なかなか解消しない都市部における極度の貧困と、農村部における貧困率の著しい改善が同時に生じており、より包括的な戦略が必要だ、と語った。


<コメント>
貧困解消はなかなか一筋縄ではいかないようだ。「移住」によって農村部の貧困率が減少しているとは言っても、1)働き手が都市部や国外に出稼ぎに出て仕送りをするので地元に残してきた家族の収入が増えるのか、2)農村から都市部へ家族が移住することで事実上口減らしになり、残された家族の貧困が解消され、都市部へ出た者はそのまま都市のスラムで極度の貧困にあえいでいるだけ(貧困の単純移動)なのか、実態を見極める必要がある。


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