2009年10月20日火曜日

「気候難民 "climate refugees"」で膨張する首都ダッカのスラム(バングラデシュ)

<サイクロンのもたらす被害>

2007年11月、2009年5月と連続して発生したサイクロンのため、地元で家と仕事を失った人々が続々とダッカのスラムに流入している。

25歳の母親は「主人は今、ここダッカで漁師の仕事を少ししているけど、二人の娘を連れて南部の地元に帰りたいと思っています。ここには家もまともな仕事もないのです。」と語る。

IPCCによれば、これまでこのような大型サイクロンの発生は15‐20年に一度だったが、今では2‐3年に一度の頻度になっており、2050年までに2000万人のバングラデシュ人が居場所を失う恐れがあるという。

<首都ダッカの変容>

1974年に18万人だったダッカの人口は、2009年には1200万人を超えた。世界銀行は、2020年までに2000万人を超えるだろうと予測する。

2006年の調査によれば、ダッカ人口のうち300万人が市内のスラムに居住する。1996年の160万人から10年でほぼ倍増した。

IPCCのRahman氏は「サイクロンの警告体制、災害マネジメント体制の一層の充実とともに、都市機能の分散によって人口の集中を抑制することが必要」と述べる。同国第2の都市チッタゴンの人口は300万人にすぎない。

同国政府は、こうした気候変動によってもたらされる水害や都市機能の整備には、向こう5年間で$5B(約5000億円)が必要とし、今年12月のコペンハーゲン環境サミットに期待をかける。

2009年6月に発表されたEconomist Intelligence Unitの世界主要都市住みやすさランキングで、ダッカは139カ国中138位であった。理由には、慢性の水不足、電力不足、渋滞のひどさ、人口密度の高さが挙げられた。


写真と記事:

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