2009年12月10日木曜日

バングラデシュにおける社会保障(social security)


政府によれば、2001年時点で60歳以上人口は国民の6%以上、約720万人で、毎年この年齢層に8万人づつ加わっており。2025年には1700万人を超えると見込まれる。

しかし、これら高齢者人口の少なくとも半分以上は1日の可処分所得/人が1ドル未満の貧困層であり、何らの社会保障制度にも組み込まれていない。ちなみに政府職員は約120万人で、彼らには57歳の定年退職と同時に年金が支給される。だが、他のほとんどの労働者(その多くが地方農村部)は年金をもらえない。

一方、65歳以上で身寄りがなく、働くこともできない170万人は、社会福祉省からなにがしかの給付を受けられる。

だが、それ以外には「社会保障のない貧困層」(国民の25%という)を支え得るセーフティネットはほとんどない。いかにしてこの層に食糧・住居・医療を保障するかが、トッププライオリティとなるだろう、と政府関係者。

現状の支援制度:VGFとVGD

1)The Vulnerable Group Feeding (VGF)プログラム:短期的支援
 一時的食糧支給を行う。対象:低収入、自然災害被害者、社会経済的弱者(年齢、病気) 
2)The Vulnerable Group Development (VGD) プログラム:長期持続的支援
 自然災害への対処方法、エイズ予防法、母体保護、子供の健康維持と生活維持のスキルを教育
対象:農村部最貧困層の女性およびその家族

現在、政府は、貧困層への食糧援助に対し、最貧困層の自立支援プログラムの5倍以上の費用をかけている。今後はより持続的なVGDへの傾斜が必要だ、と政府担当者。


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