2009年9月2日水曜日

栄養剤Sprinklesの製造販売:「企業+NGO」と「政府」の微妙な関係

現在もバングラデシュでは栄養失調が深刻である。5歳以下の子供の50%が鉄分の欠乏による貧血状態にあり(2003)、41%は年齢ごとの平均体重に満たない(2007)という。

この問題を解決する一つの選択肢が、栄養剤Sprinklesである。同製品は、幼児・子供の貧血を半減させる効果が立証されており、UNICEFも公認している。

こうした中、ジェネリック医薬品製造会社のRenata、BRAC、 Social Marketing Company (SMC、避妊具や脱水症状緩和用飲料の製造販売。非営利企業)が協同でSprinklesの製造販売を開始した。

これまでSprinklesの浸透が進んでこなかったのは、政府が同製品を医薬品とみなし、薬局以外での販売を困難にしていたことが挙げられる。政府は今回の事業に関しても慎重な姿勢を崩しておらず、コメントを避けており、「同製品の何らかの効果が顕在化した時点でコメントする」としている。

一方でUNICEFも、営利事業者も包含する「販売活動」によって同製品が普及するかどうか、疑問を呈している。同製品は1包あたり3セント(2タカ)で、貧困層が月間20-30タカ支出するのは現実的でないという。

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