2009年9月23日水曜日

Community Health Worker/CHW(地域の保健衛生従事者)とICT活用

今回のバングラデシュ行においてもBRACのclinicを訪ね、そこでCHW(コミュニティ・ヘルス・ワーカー)が地域の妊産婦の定期検診をしている場面を見学させていただいた。

一般にCHWsは、妊婦や新婚世帯へのカウンセリング、コンドーム販売等家族計画メソッドの普及、健康に関する教育、産前産後のケア、重篤な病気の患者発見と地域病院への受診支援などに従事する。

ちなみに2004年のこの記事によれば、BRAC創業者であるFazle Hasan Abed氏の信念(貧困解消のカギは女性の役割にある)に基づき、BRACのヘルスケアに対する原則は下記のようなものである。

「長年の経験によりBRACは、効率的で公平なヘルスケアサービスを提供するためには3つの条件が成立している必要があることを発見した。
1)サービス提供の仕組みの『運転席』に座るのは、サービスを受けるコミュニティの中から採用された村人自身(多くの場合女性)であり、村の実情に合わせて報酬を得ていること。(フォーラム注:CHWのことである)
2) 村民への支援・指導内容はその地域に最も頻繁に起きる問題にフォーカスし、その問題の対応に関してより熟練したCHWsによって行われていること。
3)医師、看護師、その他の医療専門家により、十分なバックアップが用意されていること。

BRACは、2004年までに3万名のCHWsを養成してきており、6万の村々の7000万人の住民をカバーできているという。そして年間の必要経費$160Mのうち、5分の4はBRAC自身が他事業で稼ぎ出した自己資金でまかなわれている。

こうしたCHWsは、農村部の地理的に拡散した地域で活動しているが、医療機関との間での患者情報の集約や共有で極めて非効率な状況にある。ここにICTの活用余地がある。(続く)


0 件のコメント:

コメントを投稿