ラベル インド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル インド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年1月5日木曜日

G20 Challenge on Inclusive Business Innovation (G20包括的ビジネスイノベーションコンテスト)

Mr3tiago氏のブログから知る。 このG20包括的ビジネスコンテストのウェブサイトを見ると、内容は以下のようなもの。

■このコンテストの意義(私見):新興国・途上国の事業者を、G20という大規模な多国間関係の公式組織の名の下に、「包括的ビジネス」という呼称で顕彰することにより、「包括的ビジネス」という概念の認知がさらに高まるとともに、民間の自助努力による貧困問題の解消と経済発展が促進されることであろう。特に、これまでは先進国の多国籍企業やベンチャー企業に注目が集まる傾向が強い中で、新興国・途上国の事業者にフォーカスしている点が意義深いと思われる。

■G20は先進8ケ国+EUに新興経済国11カ国がメンバーとなり、金融と世界経済に関する会合を定期的に持っている。先進国と新興国が協力して広域の持続的経済発展を促進することが目的のグループである。

■後援組織:このG20包括的ビジネスコンテストは、IFC(国際金融公社)が仕掛け人のようだ。最初にインド、次にアフリカで応募者によるプレ交流会が開かれるという。応募締め切りは2月末。2012年6月のG20会合(メキシコ)で選抜事業者がお披露目となる。

■応募資格は、新興国もしくは途上国の営利企業で、BOP層の人々が供給・流通・販売もしくは顧客として関与しているビジネスを、既に(2009年6月以前から)運営している事業者である。選出されたとしても、金銭的なrewardはない。ドイツで開かれるワークショップに参加したりする機会が与えられるが、基本的なrewardは「G20で認められた」ということで得られるrecognitionであり、「箔」であり、「お墨付き」である。このコンテストで選抜されれば様々な補助金への応募や、資金調達の際に有利にことを運べるかもしれない。

■このコンテストの狙いは、

1)成功しているモデル企業をショーケースとして取り上げて顕彰し、広く世界に知らしめることにより、成功するビジネスモデルがさらに多くの国や地域に拡張して行くことを促進すること、

その過程で

2)途上国の包括的ビジネス事業者に光を当て、世界的な認知をすることで信用を高め、その事業の拡張性を一層高めたり、

3)日ごろ国外に出る機会のない事業者同士の交流による学習を促進すること、にあるという。

ウェブサイトを見る限り、政府や非営利組織との連携強化などについては一切触れられていない。


2010年11月3日水曜日

ゴドレジ財閥がチョットクールの配送網に郵便局を活用

先のエントリーで紹介した、インドのゴドレジ社製BOP向け冷蔵庫「チョットクール」だが、日経新聞2010年11月1日夕刊によれば、この6400円の冷蔵庫の配送網として、同国でユニバーサルサービスを実現している郵便局の配達網が活用されることになったそうだ。インド西部のマハラシュトラ州(Maharashtra)の郵便局と正式に提携。局員(約63,000名)が注文を受け、配達し、集金を請け負う(集配人8,600名)という。受注1件ごとの手数料として郵便局側は275ルピー(約500円)を受け取るとのこと。

2010年10月25日月曜日

2010 Ashden Awards: D. Light Design

ソーラーランタンのD.Light Design社は2010年の受賞企業でもある。

Ashden Award 2010にアップされている同社の事例紹介ビデオ(下記ページにリンクあり):

2010年10月2日土曜日

JETRO BOPビジネス潜在ニーズ調査報告書 その1

インド:教育・職業訓練分野(2010年3月)

ケニアのエネルギー分野(2010年3月)
http://www.jetro.go.jp/world/africa/reports/07000375

タンザニアの農漁業資機材分野(2010年3月)

http://www.jetro.go.jp/world/africa/reports/07000372

2010年7月29日木曜日

SKS Microfinace の株式公開

 既報の通り、インド最大手のMFIであるSKSが株式公開。CEOは有名なVikram Akula氏。募集開始は7月28日、機関投資家向けの締め切りは7月30日、個人投資家向けの締め切りは8月2日である。発行株式数は1,680万株。同社は発行価格帯を 850 to 985 rupees ($18.20 to $21.10) と設定している。よって調達資金規模は1株20ドルとして約336M(約300億円)となる。なお、借り手、主に農村の女性が所有する株式の割合は上場後11%に(上場前は40%)。

 このインドで最初(世界では3番目。第1号は2007年メキシコのBanco Compartamos SA)のMFI上場に対しては、賛成の立場と反対の立場があるようだ。

 賛否それぞれの基本的立場は本Blog4月10日で既報の通りだが、今回はグラミン銀行のユヌス総裁が明確に反対の立場で発言しているので、今一度まとめると、

<賛成>
1.CEO Akula氏(1998年、当時有数のMFIが資金調達難に苦しんでいるのを見て、政府資金、補助金、慈善寄付に依存しないMFIを目指してSKSを創業):貧困層への無担保少額融資サービスを持続的に拡大するには、資本市場からの資金調達が必要である。
 新世代のMFIとして、わが社は商業型アプローチによって、従前の方法に比較し、はるかに大きな資金をはるかに多くの貧困層に届けることができるようになった。その意味において、社会性と経済性の間にコンフリクトはないと考える。

2.Xavier Reille氏(世銀が支援するマイクロファイナンス関連のシンクタンクCGAPの専門家トップ):さらに多くの貧困層に資金を提供するために上場することは、不当な利益をむさぼることを抑止するに十分なガバナンスが機能しているのであれば、望ましいことだろう。2-3年以内に借り手の代表がボードメンバーになるかどうかを注視したい。

<反対>
1.Dr. Muhammad Yunus、グラミン銀行総裁:上場は、マイクロファイナンスの理念に反している。上場することにより、貧困層からお金を儲けられるエキサイティングな機会があるという、メッセージを送ることになる。私にとっては不愉快(repulsive)な話だ。MFとはお金のない人々がその自身のお金を自分たちの元に留めておくためのもので、それを金持ちの方へ向けさせるためのものではない。
 マイクロクレジットは、お金儲けの機会として示されてはならない。それは貧しい人々の生活にインパクトを与える機会なのである。


 今回の上場に先立って、創業者のAkula氏は所有する株式の一部を売却して$10Mを手にした。同氏は、その件を聞かれて記者への返答の際、同社職員へのストックオプションにも言及し、世界レベルの報酬を自社の社員にも、と強調した。だが、貧困層を対象とした事業を通じ、創業者や上場前に投資したPEが莫大な経済的リターンを享受することへの批判は強いようだ。
 富裕層投資家のお金が資本調達の形で貧困層向けの無担保融資へ流入し、そこで生み出されたリターンがどのように分配されるべきか(配当の問題)、またキャピタルゲインの源泉をどうとらえるか、という点に議論は集約できるだろう。
 ユヌス氏はまた、MFの利息を一般にもっと低くすべきだと主張しており、それへのAkula氏の反論(バングラデシュの地理的密集性からくる運営コストの違いと、インドでは許されていない、MFIが貸与した資金をそのまま預金させ、新たな貸し出しの原資とすることがバングラデシュでは可能なこと)もある(WSJ紙)。

<コメント>
 はたしてMFIの上場による資金調達は「正しい」のか、「正しくない」のか。さらにその調達資本へリターンを返すことは「正しい」のか「正しくない」のか。こうした問い自体が私にはむなしいものに思える。
 個々の社会的・経済的行為に込められた個々人の真意はそれぞれに異なるものだ。つまり、社会性実現のために利益創出モデルを活用しているのか、利益を追求するために社会性の高い事業を利用しているのか、個々の経営者の動機に占めるそれらの割合はどうかなど、外からは判断が困難である。そしてその動機の割合に応じて「正悪」が判断されるというのもうなづけない。利益の一端がリスクを取った株主へ還元されること自体を社会性追求の見地から忌避すべきか否かについても、見解は分かれるだろう。
 こうした主観的価値判断の是非を問うよりも、事象の全体構造がもたらす社会的・経済的効果をできるだけ客観的に評価する方向で考察すべきではないか。
 私の感覚は上記世銀系コンサルタントに近い。上場したとしても、資本市場での四半期ベースの業績向上圧力を配慮するがあまり、マイクロファイナンスの精神を踏み外して、不当なレベルの高利貸しや、見境のない安易な貸し出しとデフォルトの山に陥ることになれば、そもそも事業の健全な持続的成長は損なわれ、一挙に資本市場の信頼を失うだろう(コーポレートガバナンスの重要性)。
 確かに上場を機に創業以来の一部株主は巨額のリターンを手にすることになるが、それは元本保証のない大きな経済的リスクを取ったことへの経済的報いであり、正当なものである。また、社会性(マイクロファイナンス自体が現実に貧困解消に役立つか否かの議論は別)の高い事業の規模拡張に必要な資金を外部資本市場から調達することを選択するならば、その対価として相応のリターン(継続的利益創出によるキャピタルゲインと配当)を払う(もしくは目指す)こともまた必然・当然であろう。
 貧困を解消するという活動を、「倫理的道徳的に崇高な価値を希求するものであり、商業主義の“汚れ”からは決別しているべきだ」という価値観は一般的にいまだ根強いと思われる。人間には思想の自由があり、それを全く否定はしない。一方私の感覚では、企業家の利益追求と良心に従い、卑近な商業活動によって社会問題を解決していくことが目指されて「も」、違和感を感じない(これがすべての解決法と言っているのではない)。社会問題(換言すれば社会ニーズ)の多くは、ビジネスに関わる者が、企業の社会責任(藤井氏の定義)を果たすことを前提に、当然のように解決を視野に入れて活動して「も」何も珍しくなく、逆にその解決のための行動が特別で神聖不可侵なものであってはならないように思う。もちろん、企業がより積極的に貧困解消等、社会問題の解決を目指さなくても何らの法的・倫理的責めを負わないことは、キャロルの文献紹介で指摘した通り。「多元的アプローチの妥当性」と「利益」の意味・意義については過去のエントリー参照。

2010年7月24日土曜日

アフリカ研究調査概況2: D. Light Design社 (ダルエスサラーム・タンザニア)

 最新モデルKiran ($12)。パッケージに印刷されている公称の性能は、日中8時間の充電で、明るさLowで8時間、明るさHighで4時間の点灯が可能。現地で購入した製品により、実用上どの程度使えるのか現在試用中である。同社の最安モデル。他に、より光量が大きく、携帯充電ジャック付属のものなど、4モデルある。携帯の充電に特化した製品も発売直前。同社ホームページ:
http://www.dlightdesign.com/home_global.php

 同社は、二人のスタンフォードMBAが非電化地域の実態を目の当たりにして起業を決意した、社会的ミッションを掲げる営利企業である。そのミッションとは、「非電化地域の人々に電化地域と同等のQOLを実現することであり、その第一歩として、すべてのケロシンランプ(燃料油のランタン)を有毒ガスを出さない、安全で、明るい光に置換すること」にある。
 具体的目標として、同社のソーラーランタンによる照明の下で暮らす人を2015年までに累計5000万人に、2020年までに1億人にすることである。
 当研究室によるタンザニアでのインタビューでは、現地におけるチャネル開拓の3ステージ戦略について詳しく話を伺った。(今秋にはケース教材として慶應ビジネススクールより発行し、新科目"Strategic Management with Social Impact"で使用予定)

下記:今回の研究調査とは無関係の外部公開記事↓

記事1:共同創業者・CEO Sam Goldmanのインタビュー(リンク先Social Innovation Conversationsに音声ファイルあり。聞き手はStanford Center for Social Innovation。内容は、彼のケロシンランタンの下での原体験から起業に至る経緯、同社の基本理念など。)

利益と社会・環境的インパクトの両立について。収益性とインパクトはリンクしている。インパクトのスケールをあげるには、より大きなファンドへのアクセスが可能になるモデルを追求するべきだ、というポジションは印象的。本サイトの視点に非常に近い。「シリコンバレー発のソーシャルベンチャーとして」という自覚。

"Q: How do you balance the tradeoff between profitability and impact?

A: Impact and profitability are linked. The harder thing to get hold of actually is profitability versus time. Even the giant companies when they start up new divisions or go into new markets are usually not profitable for a while. Clearly we have to be profitable and clearly we have to come up with models that do not require us to sacrifice profitability in the name of impact; otherwise we are not going to do our job. The whole notion of creating a for-profit, venture-funded organization rather than an NGO (non-governmental organization) or more social-sector group was that the scale of the problem is measured in billions. If we want to grow to that scale, we have to do it backed by massive amounts of capital that can fund the inventory, fund the growth, and fund the new offices. I do not really see it as too much of a tradeoff, to be honest. We can affect a lot of lives as an NGO, but if we want to affect a billion people’s lives, it has to be done with a different set of models.”


" We hope one day to be the first social enterprise ever to go public." (いつの日か、株式公開を果たす最初の社会企業になれることを望んでいるのです。)というフレーズが強く印象に残る。資本市場へも正対する社会企業の姿。

2010年7月23日金曜日

35ドルパソコンby インド人的資源開発省


<製造原価> 35ドル(1500ルピー。その後、大量生産によって原価10ドルを目指し、小学校から大学まで普及を図るとのこと。実際の開発は Indian Institute of Technology と Indian Institute of Scienceが行った。政府は売値の半額を補助することを考慮中。)

<仕様> 縦18cm、横23cm、1.5kg、タッチスクリーン式で、キーボードは外付け(価格に含まれないということだろう)、ネット閲覧可、無線通信対応、USBポート付き。RAM2GB。OSはLinux。当初台湾で生産予定だが、現在世界規模のパソコンメーカーと交渉中だという。

<コメント>
 私はIT業界の人間ではないが、この端末はクラウド環境でのクライアントとして設計されている、ということだろう。ネグロポンテ氏の100ドルパソコンを一挙に下回る原価。35ドルを価格ととらえると、「BOP」向けソーラーランタンの上級製品程度だ。適正技術の事例。このPCが普及すれば、「BOP」層はもはや「フラット化からこぼれおちた」地域ではなくなる。ソーラーパネルによる駆動も可能ということなので、どんどんと非電化の農村部へも広がっていく可能性が高い。教育、医療、公共サービスに加え、情報サービス、金融、Eコマース、エンターテインメントを始めとする新たな事業機会も広がるだろう。

(写真あり)

2010年6月22日火曜日

バングラデシュとインドの電力事業を巡る動き

バングラビジネスオンラインに両国間電力事業の主導権争いに関する記事が紹介されている。
現在、両国の国営電力会社の間で、インドからバングラデシュへの電力輸出、石炭ベースの発電所2基新設(バングラデシュ国内)に関して交渉が進展中だが、バングラデシュ電力省高官の話として、当初よりもインド側の条件が厳しい、という情報が伝えられている。そのtougher than expectedな条件とは、

1.インドからバングラデシュへの送電網(85㎞)の新設は一旦インド側の全額費用負担で行い、その後バングラデシュがその全額を毎年分割して徐々に償還する。償還後は、インドの指定する一定額を毎年使用料としてインド側に支払う。

2.送電設備の所有は共同だが、オペレーションはすべてインド側が行う。

3.新設発電所の所有は共同だが、オペレーションはすべてインド側が行う。

電力省高官は、「これでは送電網のコストを最終的にすべてバングラデシュが持つことになる上、今回の電力事業にバングラデシュの人材が全く関われない。発電所は我が国の領土の中にあるのに」、と主張している。

交渉事とはいえ、インドをはじめとする新興経済パワーがさらに低所得の国に参入する場合、経営上のガバナンスをしっかりと握ろうとする強い姿勢が見える。バングラデシュとしても、電力は国の安全保障にも関わる重要エネルギーなので、そう簡単には譲れないだろう。今後の動向を注視したい。

2010年6月4日金曜日

「BOP」向け冷蔵庫「チョットクール」(インド、冷蔵庫版『ナノ』?)

【写真】

インドのゴドレジ・ボイス社(Godrej & Boyce Mfg. Co. Ltd)が開発。チョットはヒンズー語で「少し」の意味。約6,400円(3,490~3,790ルピー)。容量43リットルの半導体ベースの小型冷蔵庫で、コンプレッサーも冷媒も利用していない。12ボルトの直流電圧で機能し、バッテリーでもインバーターでも、太陽エネルギーでも機能する。庫内を5-15℃に保つ。大ぶりのクーラーボックスといった体裁。販売には農村部の女性たちを活用し、販売手数料収入をもたらすモデル。(その後郵便局と提携)

JICAが支援している。JICAの記事の中で、ゴドレジ社副社長が破壊的イノベーションの概念などを織り交ぜながら、本ビジネスを通じて生まれた「BOP層への3Lビジョン」と、包括的(inclusive)成長に向けた現地密着の「システム・ダイナミクス・モデル」(事業開発プロセス)を披露している。

【画像】

2010年10月からの正式販売を報じるニュース(リンクダウンしてます):
NHKのBizスポでも6月2日に放映された。
「チョットクール:ゴドレジ社の『ナノ』」

2010年6月2日水曜日

インド ヤクルト・ダノン社の発展

ヤクルトとダノンの合弁会社がインドでヤクルト販売を開始して3年目に入り、販売は年倍増ペースで成長中という。

自然災害危険度順位,1位バングラデシュ、2位インドネシア、3位イラン、4位パキスタン、5位エチオピア

過去30年間に発生した豪雨や洪水等の自然災害件数、犠牲者の数、その対人口比率などを指標化したもの。
http://indonews.jp/2010/06/11-22.html


2010年6月1日火曜日

井戸の掘り方でヒ素の含有を防ぐことができる(NYタイムズ)

同記事によれば、 バングラデシュ、ネパール、西インド、ミャンマー、カンボジア、ベトナム各国の地下水は、ヒマラヤの石炭層から染み出すヒ素で汚染されやすいが、井戸の掘り方次第では比較的容易にそのリスクを軽減できるらしい。オレンジの地層(安全層)に井戸を掘り、低圧のハンドポンプを接続。それとは干渉しない離れた場所で高圧ポンプを接続し、灌漑用に用いる。高圧の汲み取りは、ヒ素含有リスクの高い灰色の地層からも地下水を吸い出してしまうという。

2010年4月13日火曜日

バングラデシュのエネルギーセクターは今後5年間に120億ドル(約1兆2000億円)の投資が必要

インド-バングラデシュ商工会議所のAhmed会頭は、「バングラデシュはその増え続けるエネルギー需要を満たすため、2015年を目処に発電能力を8000MWへと倍加させる計画だ。つまり今後5年間のうちに発電設備へ$10Bの投資が必要。またバングラデシュは33億トンの石炭埋蔵量を持っており、石炭採掘セクターへ$2Bの投資を必要としている。現在は80%の電力が天然ガスベースだ。」とインド企業に投資を呼びかけている。

2年前にはインドのタタグループが、バングラデシュに石炭火力発電所建設に3億ドルの投資を申し出たが、当時は頓挫した。だが、同グループは今も興味を持ち続けている。

在バングラデシュのインド高官は、2011年にはインドへの輸出額は$1Bへとほぼ倍増するだろうと述べた。

Hasina首相のインド訪問(2010年1月)以来、両国間の経済活動に関する議論が活発化している。

2010年4月10日土曜日

インドのMFI上場でまき起こる論争:「貧困から利益を得る」ことの是非

SKS Microfinanceがインドのマイクロファイナンス機関として初の上場を果たす。$250-350Mの調達が予定されている。出資者に名を連ねるのは、創業者Vikram Akula氏(6%)、Sequoia Capital India(24%弱)、Sandstone Capital Llc(12%)、Kismet Capital Advisors Llc (17%)、SKS Trust for the Benefit of Women Entrepreneurs(15%)である。SKSは1998年創立で、2005年に営利のノンバンク金融会社(for-profit non-banking financial company-NBFC)として登録された.

今回の上場は、バングラデシュ、メキシコ、南米などの主たるMFI、そしてMFIに投資しているPEsから大いに注目されている。昨今、MFIに積極出資しているのは、シンガポール政府系投資会社Temasek、香港の投資銀行のオルタナティブ投資部門であるCLSA Capital Partners、世銀グループの国際金融公社(International Financial Corp)、プライベートイクイティのSandstone Capital(インド半島の投資機会。在米国)、シリコンバレーベースの世界的VCのインド支社Sequoia Capital India、MFIを支援する世界的NGOであるUnitus、英国のPEであるMatrixなどである。

●肯定的論点

1.MF市場の急速な成長と、既存資金源(寄付や銀行融資)の枯渇から、MFIが資本市場へ向かうのは自然の成り行きである。「年成長率が75%という中で、適正な自己資本比率15%を保つには既存の資金源だけでは困難だ。」「従って、MFIsはPE、資本(株式)市場、その他の融資機関へと移行しなければならなかった。今回のIPOは祝福されるべきものだ。」(Vijay Mahajan氏, MFI業界のロビー団体であるMFI NetworkのPresident)

2.今回のIPOは、MFIsの名声・評判を向上させる。「今回のIPOでMFIへの注目度は劇的に高まり、MFIの生態系全体に対する信頼も高まるだろう。」(Sequoia Capital Indiaのmanaging director、Sumir Chadha氏)

3.インドの財務相は、2010年初旬、NBFCsに銀行業免許を与えることも可能、と表明。同国におけるMFIの役割がますます重要になることを示唆した。


●否定的論点

1.他のMFIやNGOの中には、資本市場にアクセスしたり、プライベートイクイティからの出資を受け企業価値が押し上げられることを好ましく思っていないものもある。
2.「マイクロファイナンスの役割は貧困の解消にある。しかるに、このIPOから恩恵を受けるのは一体誰なのか?」「MF事業拡張や情報システム投資の資金を得るためにIPOするのは分かる。 だが、MFのユーザーがいまだ貧困を脱していない一方で、株主の間に億万長者を生じさせるのは果たして正しいことなのか」(インドとネパールでマイクロファイナンスを手掛ける英国のNPO、Shivia Microfinanceのexecutive director、Olivia Donnelly氏)
3.「PEの流入により、MFIの企業価値は簿価の5.9倍にまで膨れており、これは世界平均の3倍に達する。」「メキシコのCompartamosなど、すでに上場しているMFIsは既存銀行株をしのぐリターンを上げている。だが、それらMFIの企業価値は不安定に高く、現在の成長率や現在から将来に至る収益期待によっては正当化できないレベル」(要はバブル)と指摘されている。(JPMorgan および世銀のConsultative Group to Assist the Poor (CGAP) による報告書)

<コメント>
「BOP」において事業の経済性と社会性の両立をいかに図るかという論点からは、今回のIPOに関する議論を避けて通ることはできない。十分に考察する必要がある事象だ。

インドの対外関係閣外相, バングラデシュと一層の経済協力関係強化を表明

Tharoor閣外相は報道陣に対し「インドはバングラデシュの経済発展と同国の人々の繁栄に強くコミットしている」と述べた。「ハシナ首相のインド訪問以来、両国の関係は一段階ランクアップし、両国の相互尊重の下に現在の協力関係がある。」そして、両国間の越境接続性、道路・鉄道網、安全保障その他のプロジェクトでの協力関係に言及した。

2010年4月9日金曜日

インド最大の国営電力会社NTPCがバングラデシュに石炭火力発電所を計画

既報の計画が動きだした。計画中の発電所はバングラデシュ政府と合弁で設立する。このほど1週間以内にフィージビリティスタディのための技術陣を派遣するとNTPCが発表した。想定発電能力は500-1000MW。

現在バングラデシュの発電能力は5000MWで、その83%がガス火力発電である。バングラデシュ政府は石炭火力の比率を上げる希望を持っている。


2010年4月6日火曜日

多角化を進めるインドのマイクロファイナンスファンド

Mr Sandeep Farias, managing director at Elevar Equity, a Bangalore-based investment management companyへのインタビュー記事。

マイクロファイナンス事業以外にも、マイクロ保険、マイクロ住宅ローン、ヘルスケア、携帯ペイメント、農村部サプライチェーンなどへ多角化。「貧困層の問題解決に資する案件であればそこへ投資する」上記の投資ファンドマネジメント会社以外にMF以外への多角化を図っているファンドマネジメント会社としては、Aavishkaar Venture Management Services, the India Financial Inclusion Fund (IFIF) , Lok Advisory Servicesが挙げられている。

クレジット事業に集中する事業ポートフォリオを改め、リスクを分散させる狙いがあると同記事は言う。





2010年3月3日水曜日

タタモーターがナノをバングラデシュやスリランカに輸出予定

タタモーターによれば、今年か来年に、近隣諸国への輸出開始を考慮中とのこと。2013年には電気自動車バージョンのナノを欧州市場へ導入予定。
とはいえ、BOP層にはまだ手が出ない(年収の約0.7-3倍以上に匹敵する)価格だ。

現時点の最安モデルの価格(デリー):11万5361ルピー(約22万2600円)

2010年2月26日金曜日

インド最大の電力会社がバングラデシュに石炭火力発電所を建設

インド最大の電力会社である国営のNTPCは、バングラデシュで1320メガワットの発電所を建設すると述べた。バングラデシュ政府と50:50のジョイントベンチャーを組成する。建設費は50Bルピー(約$1.08B)となる。現在バングラデシュの法律では政府がジョイントベンチャーの51%を所有することが定められており、インド側の要求に応えるには法律の改正が必要になり、その点今後時間がかかることもありえる。

人口の47%しか電力グリッドへのアクセスがないバングラデシュでは、電力供給体制の整備が極めて重要であり、政府は今後7年間で$10B の外資を呼び込もうとしている。今回のディールもその一環である。

2010年2月22日月曜日

マイクロファイナンスの課題:日経新聞の記事から

本日(2月22日)の日経新聞でBOPに関するものが複数あったので共有する。

「金利の高さ、多重債務者、新たな課題に。」と言う記事から

「担保を取らないマイクロファイナンス会社の貸出金利は、法外な利息の無認可の高利貸よりは低いものの銀行よりも高く、年率20〜40%とされる。」

とあるが、本フォーラムの以前の記事「マイクロファイナンスの金利に関して:flat rate と declining balance ベースの金利」にある通り、金利と一言で言ってもflatとdecliningの二つの計算方法が存在する。flatであれば年利20-40%の金利は法外に高いが、decliningだとそうはならないために注意が必要である。

また、
「特定の利用者に複数の会社が同時に融資する“多重債務者”の発生も表面化し始めた。マイクロファイナンス会社同士の貸し出し競争が背景にあるとみられるが、利用者の大半は金融商品に関する知識が不足している」
とあるように、多重債務者の問題を指摘している。

昨年バングラデシュを訪問した際にもマイクロファイナンス期間に顧客獲得競争について質問したが、その際の記事にもある通り、マイクロファイナンス機関同士で同じ借り手に貸さないように協定を結んでいるということがバングラデシュではあった。また、まだまだ市場のカバー率が十分でないためにマイクロファイナンス機関同士での顧客の取り合いのようなことは発生していないとの回答を得た。

現状バングラデシュのマイクロファイナンスはシステム上できちんと顧客管理が出来ている訳ではないようなので、多重債務者の問題が起こってしまうのも理解出来るところはある。(もちろんインドとバングラデシュでマイクロファイナンスのシステムは全く同じではないだろうが、大きくは変わらないという前提)

ほとんどを紙ベースで処理している現在のマイクロファイナンスのオペレーションは、規模が大きくなってくれば多重債務者の様な問題も発生してくることは想像出来るが、それを回避するためのシステム投資はコスト的に難しいのもまた事実であろう。

なお、同じ記事のトピックはインドにおけるマイクロファイナンスの拡大であるが、その背景としてインド政府のマイクロファイナンスを促進するための税制緩和、と外資参入促進策といった後押しがあることも付け足しておく。

参考
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/india2.cfm?i=20070216cq005cr