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2010年7月29日木曜日

SKS Microfinace の株式公開

 既報の通り、インド最大手のMFIであるSKSが株式公開。CEOは有名なVikram Akula氏。募集開始は7月28日、機関投資家向けの締め切りは7月30日、個人投資家向けの締め切りは8月2日である。発行株式数は1,680万株。同社は発行価格帯を 850 to 985 rupees ($18.20 to $21.10) と設定している。よって調達資金規模は1株20ドルとして約336M(約300億円)となる。なお、借り手、主に農村の女性が所有する株式の割合は上場後11%に(上場前は40%)。

 このインドで最初(世界では3番目。第1号は2007年メキシコのBanco Compartamos SA)のMFI上場に対しては、賛成の立場と反対の立場があるようだ。

 賛否それぞれの基本的立場は本Blog4月10日で既報の通りだが、今回はグラミン銀行のユヌス総裁が明確に反対の立場で発言しているので、今一度まとめると、

<賛成>
1.CEO Akula氏(1998年、当時有数のMFIが資金調達難に苦しんでいるのを見て、政府資金、補助金、慈善寄付に依存しないMFIを目指してSKSを創業):貧困層への無担保少額融資サービスを持続的に拡大するには、資本市場からの資金調達が必要である。
 新世代のMFIとして、わが社は商業型アプローチによって、従前の方法に比較し、はるかに大きな資金をはるかに多くの貧困層に届けることができるようになった。その意味において、社会性と経済性の間にコンフリクトはないと考える。

2.Xavier Reille氏(世銀が支援するマイクロファイナンス関連のシンクタンクCGAPの専門家トップ):さらに多くの貧困層に資金を提供するために上場することは、不当な利益をむさぼることを抑止するに十分なガバナンスが機能しているのであれば、望ましいことだろう。2-3年以内に借り手の代表がボードメンバーになるかどうかを注視したい。

<反対>
1.Dr. Muhammad Yunus、グラミン銀行総裁:上場は、マイクロファイナンスの理念に反している。上場することにより、貧困層からお金を儲けられるエキサイティングな機会があるという、メッセージを送ることになる。私にとっては不愉快(repulsive)な話だ。MFとはお金のない人々がその自身のお金を自分たちの元に留めておくためのもので、それを金持ちの方へ向けさせるためのものではない。
 マイクロクレジットは、お金儲けの機会として示されてはならない。それは貧しい人々の生活にインパクトを与える機会なのである。


 今回の上場に先立って、創業者のAkula氏は所有する株式の一部を売却して$10Mを手にした。同氏は、その件を聞かれて記者への返答の際、同社職員へのストックオプションにも言及し、世界レベルの報酬を自社の社員にも、と強調した。だが、貧困層を対象とした事業を通じ、創業者や上場前に投資したPEが莫大な経済的リターンを享受することへの批判は強いようだ。
 富裕層投資家のお金が資本調達の形で貧困層向けの無担保融資へ流入し、そこで生み出されたリターンがどのように分配されるべきか(配当の問題)、またキャピタルゲインの源泉をどうとらえるか、という点に議論は集約できるだろう。
 ユヌス氏はまた、MFの利息を一般にもっと低くすべきだと主張しており、それへのAkula氏の反論(バングラデシュの地理的密集性からくる運営コストの違いと、インドでは許されていない、MFIが貸与した資金をそのまま預金させ、新たな貸し出しの原資とすることがバングラデシュでは可能なこと)もある(WSJ紙)。

<コメント>
 はたしてMFIの上場による資金調達は「正しい」のか、「正しくない」のか。さらにその調達資本へリターンを返すことは「正しい」のか「正しくない」のか。こうした問い自体が私にはむなしいものに思える。
 個々の社会的・経済的行為に込められた個々人の真意はそれぞれに異なるものだ。つまり、社会性実現のために利益創出モデルを活用しているのか、利益を追求するために社会性の高い事業を利用しているのか、個々の経営者の動機に占めるそれらの割合はどうかなど、外からは判断が困難である。そしてその動機の割合に応じて「正悪」が判断されるというのもうなづけない。利益の一端がリスクを取った株主へ還元されること自体を社会性追求の見地から忌避すべきか否かについても、見解は分かれるだろう。
 こうした主観的価値判断の是非を問うよりも、事象の全体構造がもたらす社会的・経済的効果をできるだけ客観的に評価する方向で考察すべきではないか。
 私の感覚は上記世銀系コンサルタントに近い。上場したとしても、資本市場での四半期ベースの業績向上圧力を配慮するがあまり、マイクロファイナンスの精神を踏み外して、不当なレベルの高利貸しや、見境のない安易な貸し出しとデフォルトの山に陥ることになれば、そもそも事業の健全な持続的成長は損なわれ、一挙に資本市場の信頼を失うだろう(コーポレートガバナンスの重要性)。
 確かに上場を機に創業以来の一部株主は巨額のリターンを手にすることになるが、それは元本保証のない大きな経済的リスクを取ったことへの経済的報いであり、正当なものである。また、社会性(マイクロファイナンス自体が現実に貧困解消に役立つか否かの議論は別)の高い事業の規模拡張に必要な資金を外部資本市場から調達することを選択するならば、その対価として相応のリターン(継続的利益創出によるキャピタルゲインと配当)を払う(もしくは目指す)こともまた必然・当然であろう。
 貧困を解消するという活動を、「倫理的道徳的に崇高な価値を希求するものであり、商業主義の“汚れ”からは決別しているべきだ」という価値観は一般的にいまだ根強いと思われる。人間には思想の自由があり、それを全く否定はしない。一方私の感覚では、企業家の利益追求と良心に従い、卑近な商業活動によって社会問題を解決していくことが目指されて「も」、違和感を感じない(これがすべての解決法と言っているのではない)。社会問題(換言すれば社会ニーズ)の多くは、ビジネスに関わる者が、企業の社会責任(藤井氏の定義)を果たすことを前提に、当然のように解決を視野に入れて活動して「も」何も珍しくなく、逆にその解決のための行動が特別で神聖不可侵なものであってはならないように思う。もちろん、企業がより積極的に貧困解消等、社会問題の解決を目指さなくても何らの法的・倫理的責めを負わないことは、キャロルの文献紹介で指摘した通り。「多元的アプローチの妥当性」と「利益」の意味・意義については過去のエントリー参照。

2010年4月10日土曜日

インドのMFI上場でまき起こる論争:「貧困から利益を得る」ことの是非

SKS Microfinanceがインドのマイクロファイナンス機関として初の上場を果たす。$250-350Mの調達が予定されている。出資者に名を連ねるのは、創業者Vikram Akula氏(6%)、Sequoia Capital India(24%弱)、Sandstone Capital Llc(12%)、Kismet Capital Advisors Llc (17%)、SKS Trust for the Benefit of Women Entrepreneurs(15%)である。SKSは1998年創立で、2005年に営利のノンバンク金融会社(for-profit non-banking financial company-NBFC)として登録された.

今回の上場は、バングラデシュ、メキシコ、南米などの主たるMFI、そしてMFIに投資しているPEsから大いに注目されている。昨今、MFIに積極出資しているのは、シンガポール政府系投資会社Temasek、香港の投資銀行のオルタナティブ投資部門であるCLSA Capital Partners、世銀グループの国際金融公社(International Financial Corp)、プライベートイクイティのSandstone Capital(インド半島の投資機会。在米国)、シリコンバレーベースの世界的VCのインド支社Sequoia Capital India、MFIを支援する世界的NGOであるUnitus、英国のPEであるMatrixなどである。

●肯定的論点

1.MF市場の急速な成長と、既存資金源(寄付や銀行融資)の枯渇から、MFIが資本市場へ向かうのは自然の成り行きである。「年成長率が75%という中で、適正な自己資本比率15%を保つには既存の資金源だけでは困難だ。」「従って、MFIsはPE、資本(株式)市場、その他の融資機関へと移行しなければならなかった。今回のIPOは祝福されるべきものだ。」(Vijay Mahajan氏, MFI業界のロビー団体であるMFI NetworkのPresident)

2.今回のIPOは、MFIsの名声・評判を向上させる。「今回のIPOでMFIへの注目度は劇的に高まり、MFIの生態系全体に対する信頼も高まるだろう。」(Sequoia Capital Indiaのmanaging director、Sumir Chadha氏)

3.インドの財務相は、2010年初旬、NBFCsに銀行業免許を与えることも可能、と表明。同国におけるMFIの役割がますます重要になることを示唆した。


●否定的論点

1.他のMFIやNGOの中には、資本市場にアクセスしたり、プライベートイクイティからの出資を受け企業価値が押し上げられることを好ましく思っていないものもある。
2.「マイクロファイナンスの役割は貧困の解消にある。しかるに、このIPOから恩恵を受けるのは一体誰なのか?」「MF事業拡張や情報システム投資の資金を得るためにIPOするのは分かる。 だが、MFのユーザーがいまだ貧困を脱していない一方で、株主の間に億万長者を生じさせるのは果たして正しいことなのか」(インドとネパールでマイクロファイナンスを手掛ける英国のNPO、Shivia Microfinanceのexecutive director、Olivia Donnelly氏)
3.「PEの流入により、MFIの企業価値は簿価の5.9倍にまで膨れており、これは世界平均の3倍に達する。」「メキシコのCompartamosなど、すでに上場しているMFIsは既存銀行株をしのぐリターンを上げている。だが、それらMFIの企業価値は不安定に高く、現在の成長率や現在から将来に至る収益期待によっては正当化できないレベル」(要はバブル)と指摘されている。(JPMorgan および世銀のConsultative Group to Assist the Poor (CGAP) による報告書)

<コメント>
「BOP」において事業の経済性と社会性の両立をいかに図るかという論点からは、今回のIPOに関する議論を避けて通ることはできない。十分に考察する必要がある事象だ。

2010年4月6日火曜日

多角化を進めるインドのマイクロファイナンスファンド

Mr Sandeep Farias, managing director at Elevar Equity, a Bangalore-based investment management companyへのインタビュー記事。

マイクロファイナンス事業以外にも、マイクロ保険、マイクロ住宅ローン、ヘルスケア、携帯ペイメント、農村部サプライチェーンなどへ多角化。「貧困層の問題解決に資する案件であればそこへ投資する」上記の投資ファンドマネジメント会社以外にMF以外への多角化を図っているファンドマネジメント会社としては、Aavishkaar Venture Management Services, the India Financial Inclusion Fund (IFIF) , Lok Advisory Servicesが挙げられている。

クレジット事業に集中する事業ポートフォリオを改め、リスクを分散させる狙いがあると同記事は言う。





2010年3月10日水曜日

マイクロファイナンス投資

大和証券ホームページでの分類によれば、世界各地のMFIs(microfinance institutions、マイクロファイナンスの実施母体)へ資金提供(投融資)を行うスキーム(MIVs, microfinance investment vehiclesマイクロファイナンス投資ビークル)には、大別して3種類ある。

1)債券ファンド
「投資家の資金を集めたMIVsが現地のマイクロファイナンス機関(MFIs)に融資したり、MFIsが発行する債券に投資」し、「主な投資家は欧米の機関投資家や個人の富裕層で、欧州では個人向け債券ファンドも組成・販売されて」いる(出典:上記同ホームページ)

日本ではLiving in Peaceとの提携によってミュージックセキュリティーズが運営・販売している「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」(「カンボジアONE」(受付終了し運用中)、「カンボジア2」(3月15日まで受付中))が日本で初めてのMF投資ファンドとして広く報じられている。ファンドの想定利回りは年約5%である。

2)MFIsへの貸出債権を裏づけとした証券化商品 
「国際開発機関や財団、機関投資家が主な投資家となって」おり、「安全性の高いシニア部分、ミドルリスク・ミドルリターンのメザニン部分、リスクの高い劣後部分に階層分けされることも多く、劣後部分への投資を国際開発機関が担うことで、より幅広い投資家層の参加を促す仕組みとなって」いる。(出典:上記同ホームページ)

3)MFIsを対象としたプライベートエクイティ投資

債券型商品(分類1)の過去の実績では、約5-6%で安定した利回りであったということだ。

マイクロファイナンスは、主としてBOPにおける個人や零細事業向け融資であり、多国籍企業による事業自体への投資とは直接関係しない。だが、多国籍企業によるビジネスモデル(例えばグラミンダノンフーズ)の中で、販売や輸送に携わる農村の個人がMFを活用して商品を仕入れたり、輸送用のリキシャを購入したりする際に用いられる。その意味で、BOPファイナンスの構成要素として認識しておいてもよいだろう。

2010年2月24日水曜日

セミナー報告:「ソーシャルビジネスを考える―グラミン銀行と日本の地域事例から学ぶこと」

昨日行われた
「ソーシャルビジネスを考える―グラミン銀行と日本の地域の事例から学ぶこと」
というセミナーに参加して来たので、簡単にその報告をする。

第1部 途上国の貧困削減を目指すマイクロファイナンスとソーシャル・ビジネス
「マイクロファイナンスと貧困削減投資ファンド「カンボジア2」」
杉山章子氏(ミュージックセキュリティーズ)

冒頭で昨年12月に放送されたワールドビジネスサテライトでの特集
が紹介された。
同社が作ったマイクロファイナンスファンドに関するもので、カンボジアのサミックというマイクロファイナンス機関に日本の投資家300人から合計2400万円を投資したとのこと。
これは日本初MFIへの投資ファンドで、1口3万円から投資ができ、年利は2%。
放送の中では同ファンドに投資者がインタビューに答えていて、
「寄付ではなく投資であるから、戻って来たお金を再投資出来るため持続的」と指摘されていた。

同社では投資した資金の使途はMFIsに任せていて、定期的に日本からもチェックし、問題があれば対応する様にしているという。

杉山氏によれば、貧困を削減するために我々ができることはココロ、体、お金の提供である。
ココロだけでは何も変わらない、何も効果はない。
「体」というのは実際に現地に行ってボランティアをするであるとか、仕事を通じて貧困削減に関わるというものがあるが、誰もができるわけではない。
しかしお金については誰でも簡単にできて、且つ効果の上がる方法である。

利回り2%では収益性を求めるというよりも、よいことを継続的にするというモチベーションの高い人が集まる仕組みになっていると感じた。これを20%とは言わないまでも「投資商品」としてファイナンシャルリターンだけでも十分魅力的な商品にして売ることはできないものかと思う。

また、同じ放送で大和証券マイクロファイナンス債権も紹介されている。こちらは240億円の規模で利回り5.1%とされている。

続いて
「グラミン銀行と日本をつなぐ-立教グラミン・クリエイティブ・ラボの試み」
と言うタイトルで立教大学の見山謙一郎氏が講演された。

立教グラミン・クリエイティブ・ラボ(GRCL)の詳細はサイトに掲載されているので割愛するが、一言で言えばシンクタンク&インキュベーターであり、見山氏は主に企業との連携を担当されている。

理念は教育でSocialとEconomyをつなぐプラットフォームになることで、研究だけでなく実践を通じて新たなビジネスを作ることにある。

企業連携の取り組みについていくつかあげられていた中で興味深いポイントを紹介する。
まず、BOPでの事業は企業内の人材育成になる。先日紹介した日経の記事にもある通り、BOPに取り組むことによって、自社の製品やサービスがこんなところに役に立つ、ということが実感でき、自分たちの事業の価値を再認識することによって、企業の存在意義について社員の理解を深めることができるという効果が見込まれる。
次に、「ビジネスとして成立する」ということは「株主への説明責任を果たす」ことであると言う解釈がされていた。「ビジネスとして成立する」というのは直接的に経済的利益の概念に直結してしまいがち(少なくとも私の中ではそう)だが、ダノンやアディダスと言ったグラミンと共同で事業をしている企業は株主の承認を得て、グラミンとのアライアンスをしている。当然「説明責任」の中には経済的利益の概念も含まれるが、それだけではなく、長期的な企業の成長、社会的課題への取り組みの必要性などもう少し広い概念がカバーされる。

続いて、昨年ドイツで行われたGlobal Grameen Mtgの報告があった。
この会議はGrameenと提携している企業や国際機関が一堂に会するものだが、日米企業の参加はゼロだったとのこと。欧州企業は多く参加しており、ポスト資本主義ということに真剣に取り組んでいる姿勢が感じられる。

第2部 社会的課題を解決する事業では
「「100年の森」を育てる共有の森事業」としてトビムシの竹本吉輝氏が講演をされた。
同社の事業は日本の森を守るというもので、本フォーラムとは直接の関連性が薄いため詳細は省くが、同社ではSustainability=Community Commons and Communicationsと考えており、Communityを作り、その質を高めて行くことが持続的な発展に繋がるとのことで、BOPにおける事業を考える際にも重要な概念であると感じた。

最後に、
本セミナーの会場には学生、企業人など様々な参加者が集っていて、関心の高さを改めて感じた。そして、「知りたい、知ろう」モチベーション、メッセージから徐々にではあるが、「行動」に移すというフェーズに関心が移っている様に感じた。ミュージックセキュリティーズのマイクロファイナンスファンドも、立教大学の取り組みも実際の行動を伴うもので、そのような取り組みを通じて、また色々と見えてくることがあるのではないかという期待を抱くことができたセミナーであった。

2010年2月22日月曜日

マイクロファイナンスの課題:日経新聞の記事から

本日(2月22日)の日経新聞でBOPに関するものが複数あったので共有する。

「金利の高さ、多重債務者、新たな課題に。」と言う記事から

「担保を取らないマイクロファイナンス会社の貸出金利は、法外な利息の無認可の高利貸よりは低いものの銀行よりも高く、年率20〜40%とされる。」

とあるが、本フォーラムの以前の記事「マイクロファイナンスの金利に関して:flat rate と declining balance ベースの金利」にある通り、金利と一言で言ってもflatとdecliningの二つの計算方法が存在する。flatであれば年利20-40%の金利は法外に高いが、decliningだとそうはならないために注意が必要である。

また、
「特定の利用者に複数の会社が同時に融資する“多重債務者”の発生も表面化し始めた。マイクロファイナンス会社同士の貸し出し競争が背景にあるとみられるが、利用者の大半は金融商品に関する知識が不足している」
とあるように、多重債務者の問題を指摘している。

昨年バングラデシュを訪問した際にもマイクロファイナンス期間に顧客獲得競争について質問したが、その際の記事にもある通り、マイクロファイナンス機関同士で同じ借り手に貸さないように協定を結んでいるということがバングラデシュではあった。また、まだまだ市場のカバー率が十分でないためにマイクロファイナンス機関同士での顧客の取り合いのようなことは発生していないとの回答を得た。

現状バングラデシュのマイクロファイナンスはシステム上できちんと顧客管理が出来ている訳ではないようなので、多重債務者の問題が起こってしまうのも理解出来るところはある。(もちろんインドとバングラデシュでマイクロファイナンスのシステムは全く同じではないだろうが、大きくは変わらないという前提)

ほとんどを紙ベースで処理している現在のマイクロファイナンスのオペレーションは、規模が大きくなってくれば多重債務者の様な問題も発生してくることは想像出来るが、それを回避するためのシステム投資はコスト的に難しいのもまた事実であろう。

なお、同じ記事のトピックはインドにおけるマイクロファイナンスの拡大であるが、その背景としてインド政府のマイクロファイナンスを促進するための税制緩和、と外資参入促進策といった後押しがあることも付け足しておく。

参考
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/india2.cfm?i=20070216cq005cr

2010年2月17日水曜日

BOPにおける事業を題材としたケース教材

昨今、世界のビジネススクールではBOPにおける事業活動を題材にしたケース教材が作成され、MBAならびにエグゼクティブ教育に活用されている。(MBA教育では、伝統的に企業の具体的事業活動を記述した「ケース」を題材として討論する、「ケースメソッド」という学習法が主に採られている。慶應ビジネススクールもしかり。)

既に手元にあるBOP関連のケース教材をリストアップしておく(下記のケース1~8は、現在慶應ビジネススクールおよび日本ケースセンターで翻訳プロセスに入っている)。他に気がつけば随時挙げることにする。

1. "Deposita- Whether to dominate the value chain or not" Richard Ivey School of Business, The University of Western Ontario, Case#:908M72 (南アフリカ、フィナンシャル・サービス)

2. "Farmacias Similares: Private and public health care for the base of the pyramid in Mexico" Harvard Business School, Case#:9-307-092 (メキシコ、ヘルスケアサービス)

3. "Microsoft's Unlimited Potential (A)" Harvard Business School, Case#: 9-508-072 (世界、ITサービスその他)

4. "ApproTEC Kenya" Harvard Business School, Case#: 9-503-007 (ケニア、適正技術に基づく汲み上げポンプその他)

5. "Cementing the bottom of the pyramid: a new direction at CEMEX?" Darden Business Publishing, University of Virginia, Case #: UV0665 (メキシコ、セメント・住宅用建材)

6. "UNITUS(A): Microfinance 2.0 - Reinventing an industry" Stanford Business School, Case#: SI-87A (BOP、マイクロファイナンス)

7. "BRAC" Harvard Business School, Case #: 9-504-012 (バングラデシュ、NGO)

8. "The BRAC and Aarong Commercial Brands" Harvard Business School, Case#: 9-504-013 (バングラデシュ、NGOによる消費財製造販売)

9. 「グラミンダノンフーズ」 慶應義塾大学ビジネススクール, Case#: 901017343 (バングラデシュ、ヨーグルト製造販売) forthcoming

2010年2月10日水曜日

マイクロファイナンスの金利をめぐる誤解:flat rate と declining balance ベースの混同

マイクロファイナンスの金利が20%だ、24%だと初めて聞くと、「すごく高いな」と感じる人が多いだろう。日本の消費者金融でも8~14%程度だからだ。ところが両者は金利の計算方法が異なり、直接比べてしまっては評価を誤る。

グラミン銀行のホームページで
「
Grameen Bank At A Glance」を読み返していたら、下記の文章が目に入った。

「13.0 Low Interest Rates

Government of Bangladesh has fixed interest rate for government-run microcredit programmes at 11 per cent at flat rate. It amounts to about 22 per cent at declining basis. Grameen Bank's interest rate is lower than government rate.

There are four interest rates for loans from Grameen Bank : 20% for income generating loans, 8% for housing loans, 5% for student loans, and 0% (interest-free) loans for Struggling Members (beggars). All interests are simple interest, calculated on declining balance method. This means, if a borrower takes an income-generating loan of say, Tk 1,000, and pays back the entire amount within a year in weekly instalments, she'll pay a. total amount of Tk 1,100, i.e. Tk 1,000 as principal, plus Tk 100 as interest for the year, equivalent to 10% flat rate.」 

先のエントリーで紹介したインドのビデオでは、マイクロファイナンスに対する疑義の一つとして、最大28%に上る金利は闇金融に比べれば5分の1でリーズナブルだが、政府による財政支援での貸付金利は10%であり、MFは相当に高金利という指摘があった。このまま額面通り受け取ると、政府系金融の10%に比べ、MFは2倍以上の金利をチャージしている高利貸、という理解をしてしまいがちだが、それは誤りである。

上記のグラミン銀行の説明によれば、政府系金融(SHG)の「年利11%」とは「flat rate」であり、GBの「年利20%」は「declining balance、もしくはeffective APR ベース」の利子率で、それをflat rateに換算すると年利10%となる。実はflat rate ベースでは政府系金融の年利よりも低い、ということになる。

つまり、「declining balance ベース」の利子率20%とは、たとえば$1000を一年借りると、一年後の返済額が$1200になるのではなく、実際は$1100、つまりいわゆる「実質年利10%」ということになる。

むしろ日本の利息制限法による貸付金額別の20%(10万円未満)・18%(10-100万円未満)・15%(100万円以上)以下に余裕で収まるレートだ。ごく一般的な消費者金融でのキャッシングの実質年率最高レートは18%だから、それよりも断然低い。少なくともグラミン銀行の場合は。

2010年1月22日金曜日

Microfinance - Does it really work?

もしもマイクロファイナンスによる少額融資が既存の零細事業の維持やわずかな増収、日々のキャッシュショートを乗り切るための短期資金で終わってしまっては、貧困の悪化を食い止めることにはなっても、脱出はできないかもしれない。

では何が必要なのか。それはやはり「資本蓄積」である。 それにより、拡張性のある事業モデル(拡大再生産によって収穫逓増や規模の経済が成立するモデル)が成立し、所得増加がより構造的かつ大規模に図られる。ここに企業の役割もあると考えられる。BRACが様々な包括的活動で貧困層の人々の「人間開発」に注力したり、各種の事業を起こすのも、資本蓄積のための活動に他ならない。 マイクロファイナンスを資本蓄積プロセスの中でいかに役立てるかを考える必要があるだろう。



このニュース映像(インドのジャーナリストが創業したノンフィクション専門プロダクションbroken pot creative制作)は、マイクロファイナンスの問題を以下のように指摘する。

1.すべてのMFIが効率的に運営されているわけではない。監査も十分になされていないケースがある。
2.利息が高い(高いものでは28%)。無論local money lendersはその5倍をチャージするので、それよりは安いが、それでも高率である。(あるMFIが説明する利息の内訳:商業銀行からの調達金利13%、融資活動のコスト7-8%、MFI自身の利益分が残り)
3.生活の支援にはなるが、貧困からの脱出には調達資金を何に投資し、リターンを得るかというスキルと能力、支援体制が必要で、MFそのものだけでは不十分
4.インド政府が認めているSelf Help Groupを組めば、複数の住民が共同で一つの口座を商業銀行で開き、最高8000ドルまで融資も受けられる。利息は10%だが、政府からの金利補助が7%あって実質3%である。

そしてこのビデオの最後に、気になるコメントがある。「マイクロファイナンスを利用する人々も、もしも工場勤務の機会があれば、喜んでそれを選ぶ。それなりの職と給与を提供することは、MFによる貧困脱出の有力な代替手段である。」

この考えは、まさに以前のエントリーで指摘した問題意識そのものである。

つまり、マイクロファイナンスが貧困の解消に役立つためには、その融資がfuelするビジネスそのものの中身が経済的価値を生み出す力の強い、拡大再生産を可能にする事業であることが望ましい。無論ビデオでMFIの創設者が言うように、MFで雑貨店の仕入れ量をふやしたり、飼育する牛の頭数を増やしたりすることはできるかもしれない。しかし、そうした零細事業を飛躍的に大きくするには、より大規模な資金と技術、経営能力が必要になる。

一つの方法はMFの一つ上のレイヤーの金額、1万ドル単位の投資を可能にする資金調達チャネルを実現し、村民自身が起業家としてより大きな規模の事業経営を目指すことである。しかしこの場合も、相当に高度な事業運営能力・スキル・適切な教育水準が必要とされる。たとえば、現在バングラデシュでは日本の人的援助を受けながら農業の大規模農園化プロジェクトが進行中という。こうした大規模化ノウハウが現地に根付けば、このレベルの投資が成功する可能性がある。NGOや国際援助機関、そして企業が事業設計を支援する機会がここにあり、様々な取り組みがすでになされている。

いま一つの方法は、農村部への大量生産工場設置とそこから生まれる製品の販売チャネル構築をワンセットで行うことだ。この場合、工場設置という大規模投資は多国籍企業や地元企業が行い、企業側に不足している販売チャネルはMFによって小口仕入れをする販売員を募って育成する。雇用は工場勤務と販売員双方で生まれる。グラミンダノンはこれに近い。 
 
上記モデルの前段階として、他国で生産された生活改善製品の貸出業(たとえばソーラーランタンなど)をMFベースの個人事業家に委託することができるだろう。事業規模の拡大に応じて生産工場を現地に設置する、ということになる。

また、単純な生産工場建設による利益と貧困解消の両立も、引き続き有力なcontenderのひとつとして検討対象にしていく。

なお、下記のサイトにはマイクロファイナンスに関する動画が一堂に集められている。

2010年1月21日木曜日

マイクロファイナンスの成否:バブルか産みの苦しみか

少々遅ればせながら、2009年後半に起こったマイクロファイナンスに関する論争をレビューしておく。

<主な論文・記事>

2009年6月 Roodman & Morduch "The Impact of Microcredit on the Poor in Bangladesh: Revisiting the Evidence" が発表される。「マイクロクレジットは、不況期の支払いを支え、家計からの支払いキャッシュを平準化させる効果はあるが、貧困から脱出できるという効果は認められない」

2009年8月13日 Wall Street Journalの報道 "A Global Surge in Tiny Loans Spurs Credit Bubble in a Slum"
「インドの地方都市RAMANAGARAMでは深刻な多重債務問題が生じている。世界のマイクロクレジット業界は社会的問題解決から利益創出に目的がシフトし、大量のプライベートイクイティが流入してバブル状況。貸し倒れリスクが高まっている。」

2009年8月14日 インドのMFI Ujjivanが自社ホームページに反論を掲載
「WSJが指摘する問題事例はプライベートイクイティにもMFIの利益創出動機にも無関係の個人的背景による事例で、この事例をしてMFI全体が構造的な問題を抱えているとはいえない。」

2009年8月18日 グラミンを超える規模に成長したMFI SKSの創業者Vikram Akulaがブログで反論
「たった一つの町のたった一つの事例でMFが世界的にバブルだという一般化はあまりに馬鹿げている。SKSの返済率は99%で安全性の格付けで最高レベルである。」

「たしかにインド南部の一部では過重債務のケースが発生しているが、記事はそうした問題がどのように対処され、解決されていっているか(国や州レベルで債務解消のベストプラクティスを共有したり、MFIsを一元的規制の下に置くことなど)が全く触れられていない。今、MFは産みの苦しみを味わっているのかもしれない。貧困解消指数の積極的活用で、MFIのミッションが果たされていることを証明する支援を今後も続ける。」

上記すべて記事の大意。詳細は原典に当たっていただきたい。

2009年12月24日木曜日

KIVAがベトナムのSEDAを通じて融資している事例


先のエントリー(P2Pマイクロファイナンス)で紹介したKIVA(実際にはP to KIVA to partnerMFI to P)が、パートナーMFIであるベトナムのSEDAを通じて融資しているKhanhさんの事例。SEDAの場合は4人組。彼女の事業は鶏の飼育で、この事業からの月収は約250万VND(約12,300円)。現在さらに500万ドンの融資を申請中で、幼年の家畜の購入(その後それを飼育して売る)に充てる予定という。


2009年12月14日月曜日

P2P マイクロファイナンス

BOPにおけるマイクロファイナンスといえば、一定規模のMFIが農村の女性に5人組などのグループを組成させ、個々人のメンバーへ無担保で融資するというスタイルが一般的だ。だが、ここで報告されているのは個人の貸し手と個人の借り手がネットを介して直接つながる、というマイクロファイナンスである。いわゆるソーシャルレンディング(日本ではmaneoが著名)のスキームを対貧困層に活用している。

この記事では、貧困層向けP2Pファイナンスとして、Kiva(米国)、Wokai(中国農村部)、Babyloan(フランス)を紹介している。


注)本エントリーは、Blog「ICT for Development.JP」12月4日のエントリーから、リンクをたどって再構成しています。

<コメント>なお、下記Toneさんよりご指摘いただいたように、Kivaはperson to personと謳ってはいるものの、それは擬似的であって、実際にはMFIが介在しており、貸し手の個人がそれを認識していない点(たとえば、ある個人の貸し手がKivaウェブ上である借り手を選択した際、実はすでにその個人にはMFIによってローンが手当てされていて、その個人の貸し手のお金が直接本人に渡るわけではない、など)が少々問題視され、NYTimesに取り上げられています。「KivaのP2Pはvirtual/fictional」という指摘です。もちろんToneさんご指摘のように、それでただちにKivaがNGというわけではなく、むしろMFIが介在することによってネット接続のない地域でも、個人からの小口融資が実質的にBOP層に到達できるという点、つまりMFのファンドソースを多角化するという意味においては意義があります。

KivaはMFIが介在しているので別として、直結型のp2pの場合、そもそもネット接続がなければ、レンディングは成立しない。こうしたスキームを成立させるためにも、BOP層におけるICTは重要性を持ってくる。おそらくこのケースで最も現実的なのは、携帯ベースのネット接続でマッチングをすることだろう。


2009年12月10日木曜日

Microfinance and Self Help Groups In India: Living Up to Their Promise?

Microfinance and Self Help Groups In India: Living Up to Their Promise?
発売日: 2010/6/30

概要:
Self-Help Groups (SHGs), a means of reaching rural women with savings and credit services, have taken off dramatically in India, where an estimated 25 million women are members. Their benefits are social as well as economic: SHGs encourage women to become active in Village affairs, or take action against domestic violence, the dowry system, or the lack of schools. But some questions remain. How effective and transparent are the groups in managing their finances? Are the groups sustainable? Do the poorest benefit? What does it take for SHGs to mobilize for social action? How effective are such actions?For the first time, detailed field research probes beneath the surface of India's world-renowned SHGs. It explores both social and financial performance in the SHG movement. This book reveals that whilst there are important achievements, especially on the social side, without more strategic attention and more resources these are unlikely to be sustainable. It is essential reading for those studying and practicing microfinance, and for bankers and policymakers considering banking for the poor.

2009年11月24日火曜日

Net Impact 2009 その1: マイクロファイナンスの現状と未来

next billion 11月17日付エントリーから。

「マイクロファイナンスを超えて-開発への新たなナレッジとモデル"Beyond Microfinance: New Knowledge and Models for Development"」と題するパネル討論で、商業化(commercialization)が急速に進み、拡大を続けるマイクロファイナンス機関(MFI)に関し、すでに成長は過度なのかいまだ不十分なのか、という視点から4者が意見を交えた(以下、要約)。

1)David Maxson, Accion's Frontier Investments Group (マイクロファイナンス事業の新たなモデルへ投資する投資ファンド会社)
「MFは、1.0から2.0へ移行する産みの苦しみを味わっている。MFIへの投資事業領域では、単に流動性(資金)を提供するだけのモデルを超える、新たな事業スキームが続々と生まれてきている。」

2)Gil Crawford, CEO of MicroVest Capital Management (米国で最も古いプライベートセクターのMF投資会社)
「対MF投資の資金量増加とMFI商業化の傾向は急激であり、行き過ぎの感がある。昨今のMFの焦げ付き表面化は氷山の一角に過ぎず、熱狂に浮かされた資金流入による安易な貸付が行われている。MFIの破たんは近い将来起こり得る。また、MFIの収益事業化(商業化)は、不十分な企業統治と癒着を生みだすだろう。」「コンシューマーグッズ(一般消費財)の販売や、消費者や中小企業向けローンにマイクロファイナンスを使うのは危険だ。それらは本来のMFの得意領域ではない。」

3)Alex Counts, President & CEO of the Grameen Foundation USA
「そんなことはない。あまり心配し過ぎる必要はない。革新と失敗が繰り返されることは自然なことであり、MFには多くの自律的な軌道修正の力が働いている。昨今話題になる複数のMFIから貸し付けを受ける問題はうわさの域を出ない。とはいえ、そうした事例が報告されたインドのある州では、89%のMF利用者は単独のMFIを利用、残り11%の大半は二つのMFIから貸し付けを受けていたというのも事実。MFが成長し商業化が進むにつれ、個々のMFIは自らの目的が貧困の解消(poverty alleviation)にあるのか、利益の創出(profit generation)にあるのかを明確に宣言しなければならない。」「各MFIが取り組むとよいのは、非財務的な商品やサービスを提供しようとする組織を併設し、それとMFとの相乗効果・連携を積極的に引き出すことだ。」

4)Henry Gonzalez, Vice President at Morgan Stanley’s Emerging Markets Debt Group and former founding member of its Microfinance Institutions Group (毎年2500から5000憶円といわれるMFIからの資金需要を受けとめるため、MFIへの投資を証券化)
「おおむね現状を肯定的に受け止めている。MFには現在二つのトレンドがある。一つは営利事業としてMFを営むMFIの数が増加していること、二つ目は、健康と教育が経済開発に強く結び付いていることを理解する専門領域特化型投資ファンドが増えている、ということだ。先のパネラーが指摘する通り、各MFIが自らの目的を明らかにすることと、より確固たるガバナンスの必要性には大いに同意する。」「まずは各MFIが提供するサービスの種類を多岐に広げることが先決。」

MFの世界では、新たな投資家やMFへの投資モデルおよびMF事業モデルが続々と生じる一方で、それらの活動が厳正な評価の目にさらされるという局面がしばらく続きそうである。


2009年10月13日火曜日

BRACによるUltra Poor Programの評価報告書

マイクロファイナンス(MF)を即利用可能な層は、貧困層の中でも相対的に富裕な層である。そこでBRACは現状ではMFを利用できない層を対象に新たなプログラムを始めた。経済的自立に求められる社会心理学的なトレーニング、MFの活用法、小事業の始め方など、多面的なトレーニングプログラムと組み合わさったものだ。

BRAC, London School of Economics, University College Londonによる共同実証研究。最貧困層の多面的な分析が行われており、極めて興味深い報告書。

本文はこちら:

2009年9月25日金曜日

GrameenTrustとメキシコのCarsoグループ会長の財団がMF事業を立ち上げ

GrameenTrustは、Grupo Carso会長Carlos Slim氏の財団と組んで、MF企業であるGrameen Carsoを設立した。当初は$5M+$40Mの追加融資枠でスタートし、当初5年間で10万件の融資を目標に掲げる。最終的にはメキシコ全土をカバーする計画だ。


ちなみに、$45Mを10万件で割ると、ローン1件平均$450。

2009年9月24日木曜日

中国のB2BサイトAlibabaが、グラミンのMFに出資、マイクロ起業家の事業を自社サイトで発展させる機会を

BOP市場へダイレクトに切り込むビジネスモデルである。

B2BサイトのAlibabaは、中国国内でグラミントラストが運営するMFに$5Mを拠出し、マイクロ起業家の事業を自社サイトに誘引し、ネットベースで拡大させることを計画している。マイクロファイナンスと電子商取引が組み合わさっている。Alibabaにとってもマイクロ起業家にとってもWin-Winのモデルを目指す。

最初の5年間で貧困地域(対象地域はChinese provinces of Sichuan and Inner Mongolia)の8000名超が平均$400の融資を受ける。

OPICがMFIへの融資枠$250Mを設定。MFの活況へつながるか。

米国政府の対民間投資組織であるOPIC(The Overseas Private Investment Corporation)は、Citiとの成功裏な関係(2006年の$100M)を拡大する方向で、マイクロファイナンス向けの資金枠を$250M増設した。

Citibank Bangladesh は、バングラデシュでMFIs向けの大規模取引を数々行ってきている。たとえば、世界で初めてMFの証券化をBRACに対して行い、さらにOPICとIFCと共にBRACに対してリスクシェアリングプログラムを提供してきている。Citibank Bangladesh 首脳は、今回のOPICの資金枠拡大で、バングラデシュにおけるMFはさらに拡張するだろう、と述べた。

2009年9月23日水曜日

アジア開発銀行が、バングラデシュ非都市部の中小規模企業へ$76Mを新規融資

ダッカやチッタゴンといった都市部以外の中小企業は、地方(非都市)の経済規模及び雇用の50%以上を生み出す重要な存在である(残りは農業)。にもかかわらず、融資資金の調達困難から、同セクターは苦しんでいる。

今回のADBによる融資活動は中長期の融資である。32年の長期ローンでは、最初の8年間の年利が1%、9年目以降は1.5%である。本プロジェクトに参加する金融機関を通じ、資格のある中小企業へ貸し出される。(コメント:マイクロファイナンスの年利10-15%に比べると破格に低い)

ちなみに、同国では、上記2大都市を含む東部と、それらを含まない西部の間で収入格差が大きく、西部では人口の50%以上が貧困ライン以下に入るとされる。