2009年6月1日月曜日

分業モデルについて

以下はあくまで仮説。
先に指摘されたマイクロクレジットとMNCsの分業モデルを、より一般化された仮説に近づけてみる。

BOPにおける事業には二つの側面があり、それは
A「大規模投資を必要とする技術開発、製品開発、設備投資、インフラ構築」と
B「コミュニティーをベースに繰り広げられるビジネス浸透・販売チャネル」
である。Bの部分は、HartのCapitalism at the Crossroadsでいうところの「土着化」が特に求められるフェーズである。)

Aの実行主体としては、大規模資本を柔軟かつ迅速に調達する上で有利な立場にいる「営利企業」が、
Bの実行主体としては、地域コミュニティと深く連動・浸透・共生している事業体(マイクロファイナンス銀行や地域の社会教育を担うNGO)が適している、

ということなのではないか。ただ、迷うのは、Aの主体が営利性を担当し、Bの主体が社会性を担当するという単純な構造でもないことだ。

たしかに、Aは営利主体が、Bは主に非営利主体が担当することにより、見た目として営利と非営利性(≒社会性)の両立が果たされやすいとは言えるだろう。しかし、Bの部分を営利組織がになってもなお、社会性と両立させることはできる。マイクロファイナンス自体は利益の上がる事業モデルである。
つまり単純な二分法でもないわけで、営利性と社会性の両立が成立する条件はさらに考察が必要。

2 件のコメント:

  1. 自分のスレにコメントもなんですが、グラミン銀行や、BRAC Bankは、出資者もすべて政府と非営利主体でしたっけ。営利のファンドは関わっていない?

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  2. BRAC、Grameen BankはそれぞれNGOですが活動資金についてはBRACは3割がdonor(主に国際援助機関)からの寄付、残りは事業収益が占めているようです。Grameenも活動資金に占める事業収益の割合が増えているようです。

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