2009年6月15日月曜日

"BRAC" HBSケース

John Quelch, Nathalie LaiderによるBRACのケース

BRACの概要(歴史、方針、プログラム)についてまとめて国際展開、人権保護活動への参加など活動領域はどんどん広がるもののそれを支える組織能力が課題になっていると言うケース。

コンテンツとして面白いのが「BRAC's Competition - Grameen Bank」というところ。
BRACもGrameenもバングラデシュのNGOであり世界的に有名である。特にMicro financeというところだけ見れば同じ事業をしているので、自然と興味はNGO同士の競合というところに向けられる。本ケースは非常にBRACよりに書かれていると感じるがその違いについて以下の様に説明している。

Grameen believes that credit is a fundamental right of the people and that market forces will take care of the rest.
つまりグラミンは貧困層の人はお金を借りることが出来れば市場に参加することが出来、そうすれば問題は自ずと解決する。financial capitalの欠落が貧困層の最も大きなハードルであり、それをクリアすれば良い。という考え方。

一方BRACは
BRAC believes that, in Bangladesh right now, poor people cannot compete in the market.
として、お金を借りることが出来ても貧困はなくならないとしている。そのためにBRACはMicrofinanceだけの提供にとどまらず、教育や医療などのサービスも直接、自然と手がけていると言う。

また、BRACの成功要因はその優れたマネジメントにあるとしているが現在の課題は人材の育成であるという。組織の拡大をしながらカルチャーを維持するのが難しいというのは民間企業でもよくある話だがNGOならではと感じたのは、不足しているシニアの優秀な人材を世界銀行などにとられてしまって採用が困難であったり、social businessを始めるにあたり民間企業から人材を登用しようとすると人件費が遥かに高くかかってしまい、組織の反発を買ってしまうなどしているという点だ。

アメリカのNPOなどは民間と変わらない給料で優秀な人材を採用していると聞くが、開発国のNGOというのはやはり民間よりも悪い条件でしか人を雇えないのだろうか。しかしBRACほどの成功をおさめているのであれば、それなりの給料も払えるのではないか?払っていないから利益が出ているのか?

今後の確認ポイントがまた増えた。

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